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続・ほろよい歳時記

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京都と滋賀の二拠点から、酒蔵のある風景を旅して呑んで。四季折々に好きなものを愛で、酔いしれる暮らし。毎日新聞に連載していた「すみれのほろ酔い歳時記」の続編。
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2017年9月の記事一覧

いのちの水が湧く―。安井酒造場の“井戸替え”を訪ねて

いのちの水が湧く―。安井酒造場の“井戸替え”を訪ねて

秋分の日の朝。今日は大安の日。

早朝の電車に揺られて、滋賀県甲賀市にある安井酒造場さんへ。
“笑顔こぼれるうまい酒”「初桜」を醸す蔵です。

この日は、酒造りの前の恒例行事「井戸替え」をされるとのこと。

そんな貴重な日に、初めて訪れることが叶いました。

貴生川駅からバスで20分ほど、最寄りの場所に到着。東海道のゆるやかな道沿いに見えた、レンガ造りの煙突。
宿場町だったという、のどかな街並み。

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ぼくは、美味しいお酒になるために生まれた。

ぼくは、美味しいお酒になるために生まれた。

朝7時―。
雲一つない青空が広がっていた。まだ昨夜のお月様が、ぼんやり青空に浮かぶ。

今日は、酒蔵の蔵人さんに引率してもらって、無農薬栽培の酒米の農家さんの元を訪ねることに。

酒蔵から小さな車ミゼットを借りて、夫婦ふたりでぎゅうぎゅうに座って運転する。ところどころ刈り取られた田んぼと、頭を重たげに実らせた稲穂。黄金色の田んぼ道を、軽やかに疾走する軽トラについていく。

木之本から高月を過ぎて、

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