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タレント事務所との交渉に必要な「4つの条件」

前回はタレントを呼ぶ前提となる「3つの確定」の話をしたので、今回はその次の段階、我々が事務所と交渉をするための「4つの条件」についてご説明します。もちろん細かいことを言えばもっとたくさんの条件があるのですが、ここではもっとも肝心な4項目をピックアップしました。
なお、これらは主に広告の出演依頼を想定しています。イベントやトークショーなどへの出演は1のみの確認で進められることが多いですね。もちろん「3つの確定」がなされていることが前提ではあります。

1.依頼する仕事

広告なら企画書を、ビデオパッケージなど「役」があるものならできればシナリオや絵コンテを出していただければベター。タレントの身になって考えれば当り前のことで、たとえギャラがOKでも「そんな仕事だったら受けられない」ということがあるわけです。まだ企画書などがないならば、とりあえず私が事務所に説明できる材料を用意してください。
タレントを使うのが初めての企業の方には驚かれることもあるのですが、キャスティングにおいては「タレントが仕事(クライアント)を選ぶ」が基本的なスタンスなんです(有名タレントの場合は特に)。お金を払うのは企業なのに、です。まずこの点をご納得いただけないと、この先の話を進めるのは難しくなります。

2.露出範囲

タレントが出演する広告を作ったら、広告主はそれをどこに掲載してもいいという訳ではありません。テレビ、新聞、雑誌、ラジオといったマス媒体、ホームページ、Web広告、YouTubeなどのWeb媒体、さらにはパンフレットやPOP、ポスター、屋外看板など、どのくらいの範囲に露出させるかで料金が変わります。事務所のほうから「このタレントはWebには出さないで」といった条件が付けられることもあります。ときどき不心得なクライアントがいて、交渉時にあげていなかった媒体に無断で広告を出すことがあるのですが、バレたら当然トラブルの元になるのでご注意をお願いするところです。

3.使用期間

タレントの出演した広告や動画をいつまで使うのかということです。これは次の「競合の縛り」とも関係しますが、一度契約してしまうとそのタレントはクライアントと同業の広告には出られないので、「いつまで」を明確にするのはとても重要です。

4.競合の縛り

原則として契約期間中、タレントは競合企業の広告への出演は禁止です。
けれども、近年は企業もいろいろと多角的なビジネスを行っているので、「競合」の範囲が広く曖昧になっています。たとえば、IT企業が飲食店を経営していることもあります。だからといって、そのIT企業のCMに出演したタレントが飲食関係の企業の広告に一切出演不可とされたらツライ。よって、「競合」の範囲を明確にしておく必要があります。このあたり、事務所のマネージャーは芸能しか知らない人が多くけっこう疎いので、私がサポートしてあげることもよくあります。

弊社を信頼してここまで情報を開示していただければ、こちらもクライアント様の希望を実現するべく全力で交渉にあたれるというもの。十分な情報をいただけないと交渉できませんし、それでも無理に交渉を進めると、タレント事務所からの信用を失って「この案件からはおろしてもらいます」ということになりかねません。そんなわけで、当社を信じて「手の内」をすべて明かしていただき、交渉を託していただきたいと願うばかりです。

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