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京都自死・自殺相談センターSotto設立10周年リレーコラム 第7回

私たちは、認定NPO法人京都自死・自殺相談センター Sottoです。
京都で「死にたいくらいつらい気持ちを持つ方の心の居場所づくり」をミッションとして掲げ活動しています。
HP: http://www.kyoto-jsc.jp
note: 改めまして。Sottoってどんな場所?

今年で京都自死・自殺相談センターSottoは設立10年目を迎えます。
10周年という節目にあたって、Sottoを様々な形で支えてくださってきた理事の方にリレー形式で、Sottoへの想いをコラムにしていただくという企画を今回からスタートします。
一口に理事と言っても、お一人お一人様々な背景を持ち他団体で活躍されている方も多いので、多様な視点からSottoという団体について改めて浮き彫りにしていただければと思います!

前回はコチラ→京都自死・自殺相談センターSotto設立10周年リレーコラム 第6回

第7回(理事 Hさん)

 10周年リレーコラムもこれで7回目です。
今回、このコラムを担当することになり、これまで担当された方々のコラムを読み返しているうちに、記憶の底に眠っていたいろいろな出来事を思い出して思わず胸が熱くなりました。

 この10年のあゆみを振り返りますと、2010年に10名の仲間が集まってボランティア団体として産声を上げたSottoの現在の相談件数は、電話相談が年間700件弱、メール相談に至ってはおよそ年間1,000通が寄せられています。
他方、孤独感を和らげるための居場所づくりは敢て「こじんまり」とした規模を守ることで、参加者の一人ひとりにきめ細やかな対応を心がけているのは今も昔も変わりません。

 翻って、この10年間Sottoに関わってきたことで私自身に何らかの変化があったのかと自問してみますと、Sottoで培った聞き方の智慧が実生活の役に立ってきたのではなかろうかと自答しているところです。
私は裁判所で調停の仕事をしているのですが、御存知のように調停はジャッジではなく、丁寧に、深く、公平に話を聞くことが基本ですので、これまでの私の人生で身につけた(ついてしまった?)善悪の価値観や偏った道徳観に惑わされないこと。
話している人がわかってほしいことをわかろうとする聞き方をすること等「価値観の多様性を認める」Sottoのあり方は私の座右の銘になりました。

 現在、コロナ禍の影響でSottoのミーティングや会議は、ほぼオンラインで進めています。
現代はPCやスマホ等、リモート通信の進歩によって、どうしてもその場に足を運ぶ必要性がなければ、おおよその用件を果たすことができるようになりました。
しかしながら、もともとSottoの姿勢は「苦悩を抱えている方のそばにそっと(Sotto)居ます」というスタンスが基本です。
Sottoの活動を支えているスタッフたちがもどかしい思いをしていることは否めない事実です。

 Sottoの設立から10年目を迎えた今、コロナ旋風が吹き荒れて世の中が混乱している今だからこそ孤独に悩み、死にたいほどの苦悩を抱えた方のこころの居場所をつくることの大切さを私は改めて実感しています。

次回はコチラ→京都自死・自殺相談センターSotto設立10周年リレーコラム 第8回

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