見出し画像

学問の神様として有名な北野天満宮

北野天満宮は、学問の神様として有名な、菅原道真を祀る神社です。
天満宮・天神社は、全国1万2000あり、北野天満宮はその総本社となります。
また、天神信仰の発祥の地でもあります。

この、天満宮・天神社は、神社としては珍しく菅原道真という人を祀っているのですが、何故、人を祀ることになったのかを、先ずは説明していきたいと思います。

菅原道真公が祀られるようになったのは?

菅原道真公は、平安時代、朝廷に仕えた、文武両道のスーパースターのような政治家でした。
ところが、同僚の藤原時平の陰謀により、大宰府に左遷されて、その2年後にその地で亡くなってしまいます。
それから、京都では藤原時平が病死したり、政治を行う御所の清涼殿に落雷があったり、天皇までもが病死したりと、不幸なことが続きます。それを、当時の人々は、「道真の祟り」だと思い、道真は北野の地に祀られることになったのです。

そして、スーパースターだった道真公にあやかり、学問はもとより、その他、芸能・厄除け・農耕など、数々の御神徳がある神様となられたのです。


菅原道真公を天神様と呼ぶのは?

菅原道真公のことを天神様と呼びますが、天神様とは、本来は雷の神様のことです。
道真公が亡くなった後、清涼殿に落雷があり、そのことがきっかけで神として祀られるようになっとことから、雷の神様ともいわれるようになり、現在でも6月1日に雷避大祭が行われています。


梅苑

北野天満宮では参道から入って左側に、参道からは見えないのですが、大きな梅苑があり、境内には50種の梅、1500本が植えられています。

「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」
という短歌は菅原道真公が太宰府に流される時に詠んだ歌で有名なものですが、それくらい梅が好きだったということから、梅をとても大切にしています。
梅の花の咲く2月から3月中旬ごろまで、この梅苑は有料で公開されます。
(残念ながら、修学旅行シーズンには見れないのです)
また、梅の実は採取され、梅干しにして、大福梅として年末に授与されています。


御土居の紅葉

北野天満宮では紅葉苑も有名です。
境内の西側に、豊臣秀吉が水防のために築いた御土居という土塁があり、その辺り一帯に350本の紅葉が植えられています。
秋にはライトアップもされますが、最近では青紅葉も注目されています。
こちらも、有料公開となっており、境内からは見ることが出来ません。


長五郎餅

北野天満宮の境内東側にあるお茶屋さんで、とても歴史があるお店となります。
というのも、戦国時代の終わり、天下統一を成し遂げた豊臣秀吉が、北野で大茶会を開催した際に餅を出店し、秀吉にとても気に入られ、以後『長五郎餅』と名のるようにと言われたとして、400年後の現在にも続いているのです。
営業日は、毎月25日、天満宮で行事のある時、土日、という不定期なのですが、出店している時は境内に看板が出ているので、目にしたら、立ち寄られると良いと思います。


北野の花手水

楼門を入って右手にある手水は、錦のお花屋さんが、とても華やかな花手水としていけられています。

花手水は2018年ごろから、手水に花をあしらって、癒しの空間やインスタスポットとして有名になってきているところ、コロナ禍で、感染防止対策の観点から手水舎の使用を中止する神社が増えて、その代わりに花を生けるところが増えたという流れがあります。

現代の新しい文化となりますが、コロナ以降も、神社の新しい文化になるのではと思います。


天神さんの日

毎月25日は、天神山の日として、北野天満宮では縁日が開かれます。
菅原道真公の誕生日が6月25日、亡くなられた日が2月25日というのが由来で開催されています。


北野天満宮の七不思議

北野天満宮には、七不思議と呼ばれる、不思議なものがあるので、そちらもご案内していきます。

1.影向松(ようこうのまつ)

表参道の大鳥居(一ノ鳥居)をくぐってすぐ右手に石の玉垣をめぐらせた一本の松があり、毎年初雪が降ると、天神様が降臨されて雪見の歌を詠まれるという伝説があり、硯・筆・墨をそろえてお供えし初雪祭りが行われます。

2.筋違いの本殿

北野天満宮の本殿は、参道からずれた位置にあります。
代りに正面にあるのは、摂社の地主社となります。
これは、もともとは地主神社があったところに、北野天満宮が建てられることになったため、正面を避けたと言われています。

3.星欠の三光門

楼門と拝殿の間にある中門は三光門と呼ばれています。三光とは、日・月・星のことで、梁の間に彫刻があるのが名前の由来なのですが、実際には星がないのです。これは、ちょうど、朝廷があった大極殿からみて、ちょうどこの門の上に北極星が輝いていたから、星を入れなかったといわれています。

4.唯一の立ち牛

北野天満宮の境内には、沢山の臥牛(横たわった牛)の像があります。これは、菅原道真公が丑年生まれだからとか、道真公が亡くなられた時、ご遺体を牛車で運び、途中牛が動かなくなり、仕方なくその地に埋葬することになった、とか牛にまつわる様々な故事から、牛は天満宮の神の使いとされるようになりました。臥牛を撫でるとその撫でた場所の病気を治癒する力があると信仰されています。

しかし、拝殿の欄間の彫刻には、珍しく立った牛の姿が刻まれています。何故1頭だけ立っているのかは謎とされています。

5.大黒天の燈籠

三光門の少し東南に、江戸時代の終わり頃に河原町にあった「大黒屋」を中心とする質商組合によって奉献された石燈籠があります。
台座に大黒様の像が彫られていて、この大黒様の口(もしくは頬)に小石をのせて落ちなければその小石を財布に入れて祈るとお金に困らないといわれています。
それが転じて、修学旅行生には、受験に落ちないともいわれています。

6.裏の社

普通の神社は前拝だけなのですが、北野天満宮は、本殿の背面に御后三柱という神様を祀られています。
これは、菅原道真公のご先祖様、祖父、父となっています。
昔は、天満宮のお参りは、この御后三柱も含めてお参りしていたそつです。(今や誰も気付いていないかもですが。。。)


7.天狗山

天満宮の境内西北の角に紅い鳥居の連なる牛社というお社があり、こちらに「一願成就のお牛さん」と言われ、撫でると一つだけ願いが叶えられるという臥牛の像があります。
また、その裏には絵馬掛けがあり、多くの受験生の絵馬が掛けられています。
その後ろに、天狗山と呼ばれる小山があり、昔この辺りに、天狗が出没したのかしないとか。
そんな伝説もあるのです。


北野天満宮は、見どころ一杯の神社となります。
アクセスは、市バスなら北野天満宮前下車。
金閣寺と近いので、セットで回ると効率が良いと思います。

また、電車好きなら、京都唯一の市電、嵐電に乗って行かれるのも楽しいです。大宮からでも嵐山からでも、帷子ノ辻(かたびらのつじ)で乗り換えて、終点、北野白梅町下車なら徒歩5分程となります。
嵐電沿線は、妙心寺や龍安寺、仁和寺など、観光名所が目白おし。恐らく一日では全部が回れないと思いますので、しっかり計画を立てて回って下さいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?