京都洋酒研究所

京都・北大路のけったいな酒屋、京都洋酒研究所。店内のほとんどがオールドシングルモルトス…

京都洋酒研究所

京都・北大路のけったいな酒屋、京都洋酒研究所。店内のほとんどがオールドシングルモルトスコッチ(ボトラーズ・カスクストレングス)という偏った品揃え。店頭量り売り、ネット通販はもちろん、元Barを引き継ぐ有料試飲ブースもあります!※無断転載及び複製等はご遠慮下さい※未成年は飲酒不可

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ウイスキーコレクションする人、先輩として忠告したい。10本は入場券。100本は至福。800本からガチコレクター。3000本以上になったらおそらくバー経営者になるしかない。でもこれは幸せとは違う。誤解を恐れずに言うよ。寿司屋とバーはカウンターの外が天国。これが正にリアルな天の声や!

    • マッサン存命の折、晩酌はいつもハイニッカだったと聞いて、急いで復刻版をストック。数年前ハイニッカの飲み疲れしなさに気付き、政孝さんの真意に感服した。そんなお年頃ですかね。夕食のお供やお仕事がんばった夜、オールドモルトじゃなくハイニッカについ手が伸びる。悲しくもあり、嬉しくもあり。

      • カウンターを隔てて意見の分かれる問題の一つ”おすすめ”問題。お客様やマスター達からの意見を聞いて考えた。「マスターの好きなボトルは?」「他のお客さんに評判いいボトルは?」「お任せで○杯で」この辺りが双方問題なくスマートかと。プラス直近の食事、好みのジャンル、本日の予算で神です。

        • 初心者の頃、あるモルトバーのマスターに「モルトの深い森の中で、マスターのところまで行ったら何が見える?」って聞いたら「あんたとおんなじ。深い森しか見えへんで。」と返された。今の私にも深い森だけだ。当時と違うのは後ろに多くのモルト仲間が見えること。共に進もう、モルトの森の最深部へ!

        ウイスキーコレクションする人、先輩として忠告したい。10本は入場券。100本は至福。800本からガチコレクター。3000本以上になったらおそらくバー経営者になるしかない。でもこれは幸せとは違う。誤解を恐れずに言うよ。寿司屋とバーはカウンターの外が天国。これが正にリアルな天の声や!

        • マッサン存命の折、晩酌はいつもハイニッカだったと聞いて、急いで復刻版をストック。数年前ハイニッカの飲み疲れしなさに気付き、政孝さんの真意に感服した。そんなお年頃ですかね。夕食のお供やお仕事がんばった夜、オールドモルトじゃなくハイニッカについ手が伸びる。悲しくもあり、嬉しくもあり。

        • カウンターを隔てて意見の分かれる問題の一つ”おすすめ”問題。お客様やマスター達からの意見を聞いて考えた。「マスターの好きなボトルは?」「他のお客さんに評判いいボトルは?」「お任せで○杯で」この辺りが双方問題なくスマートかと。プラス直近の食事、好みのジャンル、本日の予算で神です。

        • 初心者の頃、あるモルトバーのマスターに「モルトの深い森の中で、マスターのところまで行ったら何が見える?」って聞いたら「あんたとおんなじ。深い森しか見えへんで。」と返された。今の私にも深い森だけだ。当時と違うのは後ろに多くのモルト仲間が見えること。共に進もう、モルトの森の最深部へ!

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        • 蒸留酒への誘い
          5本
        • 洋酒コレクターが終活してわかったこと
          4本

        記事

          オールドボトルや長期熟成ボトルは本当に美味しいのか?

           バーでメニューをご覧になって、気づかれた方はいるだろうか。  なんだかやたら高いウイスキーがあることに。  マスターに「なんでこれ、こんなに高いの?」と聞いたかもしれない。  そして、その答えはきっとこうだったに違いない。 「これ、現行ものじゃなくて、オールドボトルなんです。」 もしくは、 「これは36年の長期熟成ものですよ。」  それを聞いて、あなたはきっと 「へー、オールドボトルって/長熟ものって美味しいんだろうなぁ。」 と思うだろう。  それは半分当たってい

          オールドボトルや長期熟成ボトルは本当に美味しいのか?

          蒸留酒への誘い⑤ 〜テイスティングの表現方法

           以前一般に言われる「テイスティング」には2つの能力が必要であると書いた。  1. 嗅覚と味覚。風味をしっかり感じ取れる力。  2. 表現力。感じた風味を他人にできるだけ正確に伝える力。  今回は2. の表現力について深く掘り下げてみる。  以前次のようにも書いた。  風味を感じるだけでも本人は楽しいしそれでも十分なのだが、それを正しく他人に伝えることができたら、もっと世界は広がるだろう。音楽に例えると、譜面やコードに当たるのが表現力なのだ。  この「表現力」も「味覚

          蒸留酒への誘い⑤ 〜テイスティングの表現方法

          お客様に良く聞かれるQ:①3000円以下でコスパ良い家飲みウイスキー教えて A:1000円台なら選ぶ余地がないので即答できるが、3000円までなら選択枝が増えるから好みがわからないと即答できない。1000円台のウイスキーを家飲みしてたまに3000円持ってバーで贅沢がきっと正解。

          お客様に良く聞かれるQ:①3000円以下でコスパ良い家飲みウイスキー教えて A:1000円台なら選ぶ余地がないので即答できるが、3000円までなら選択枝が増えるから好みがわからないと即答できない。1000円台のウイスキーを家飲みしてたまに3000円持ってバーで贅沢がきっと正解。

          蒸留酒への誘い④ 〜テイスティングの実際

           さて、前回の重い、長い、堅い文章を読み終えた貴方、いよいよ佳境だ。お楽しみのテイスティングの時間がやってきた!  ではウイスキー・テイスティングの実際について話そう。その他の蒸留酒もほぼこれに準ずる方法でやっていただくといい。正しいテイスティングの方法を知ることは、ウイスキーの味や香りをできるだけたくさん汲み上げ、歪みなく分析し評価するために大切である。テイスティング方法についてはすでにたくさんの方がWEBに挙げたり本にまとめたりされているので、ここでは私たちが行う方法を

          蒸留酒への誘い④ 〜テイスティングの実際

          未来の研究員さんへ

           京都市・北大路に実在するけったいなBar、京都洋酒研究所。前にも書いたように、まず名前がけったいや。北大路なんて辺鄙な住宅街でやってるってのも、まあけったいやね。で”名は体を表す”っていうくらいだから、中身も思う存分けったいなのよ。  今回はうちの研究所のどこがけったいかについて、以前SNSに書いたことも一緒にまとめてみた。それがきっと、未来の研究員さんにとってええ塩梅なうちの紹介になるだろう。  noteで初めてうちのことを知ってくださった方も、SNSやウイスキー仲間

          未来の研究員さんへ

          ウイスキーラヴァーズさんにおすすめしたいnote発見!

           先日たまたま見かけた記事を読んで、その世界観に引き込まれた、私の大好きなnoteを皆様に紹介させていただきたい。ウイスキーのテイスティングにも大変重要な「表現力」がすばらしく、ぜひ皆さんのウイスキーライフの参考にしてもらえれば幸いである。  おしぼりさんの「味に疎い人間がシングルモルトを好きになった」は私の「蒸留酒への誘い」と本当によく呼応していると思う。その上おしぼりさんの表現力がとても巧みなので、ああ、それ私の言いたかったことだよ!ってのが実によくある。皆さんもこれを

          ウイスキーラヴァーズさんにおすすめしたいnote発見!

          蒸留酒への誘い③ 〜お酒を味わうって? テイスティングって何?

           話が本筋から逸れてしまっているが、逸れついでに話しておきたい話があるので、もう少しお付き合い願いたい。  「味覚」とは物の味を感じとる感覚で、人間の外界感知装置である「五感」(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の一つである。そして味覚は基本的に 甘味・旨味・酸味・苦味・塩味 の「5味」に分類される。私たちは何か物体の味に出会ったとき、この5味を単独で、またはミックスさせて感知した味を分析するのである。  そして、分析した味が好ましい物であったときに「おいしい」、好ましくなか

          蒸留酒への誘い③ 〜お酒を味わうって? テイスティングって何?

          蒸留酒への誘い② 〜おいしいお酒の見つけ方

           今回はおいしいお酒とは何か、考えてみたい。  おいしさ、というのは本当に人それぞれである。ある程度の傾向はあるが、絶対ではない。研究所でたくさんのお客様と話すなかでも、日々実感する。100人が100人美味しいと思うものも、100人が100人まずく感じるものも、まず存在しない。  若い頃にはそれが分からなかった。世の中すべてのものははっきりと白黒付けられるものだと思っていたし、味覚についてもおいしい、まずいですべて片付けていた。  「このウイスキー、まずいね。誰が飲むん

          蒸留酒への誘い② 〜おいしいお酒の見つけ方

          蒸留酒への誘い① 〜お酒好きの下戸に向く酒とは

           先日書いた「なんてけったいな名前! に込めた意味」を、嬉しいことにshimookakoshiro様こと下岡様が素敵な紹介記事として掲載してくださった。下岡様はリアル研究所のすぐ近くでお宿を経営されている方である。下記にリンクを貼っておく。  その記事の中で下岡様は 洋酒やウイスキーに関して、全く無知です。そもそも、お酒は好きですが 下戸なのです。 とおっしゃられている。  実は「お酒好きの下戸」さんこそ、ウイスキーなどの蒸留酒と相性が良いのだ。  今回はそれをお題にし

          蒸留酒への誘い① 〜お酒好きの下戸に向く酒とは

          なんてけったいな名前! に込めた意味

           京都洋酒研究所ーなんてけったいな名前! 大抵の人はそう思うだろう。  おおよそBarだなんて思えない。おそらく「京都ということは、サントリーの研究所?」くらいか(実際にサントリーさんには洋酒研究所というところがあるようだ。)  どうしてこんなけったいな名前がついたのか。今日はそのお話。    ところで、人はどうしてお酒を飲むのだろうか。  おいしいから?  酔いたいから?  楽しいから?  悲しいから?  それとも何かを忘れたいから?  どれも正解。どの気持ちも良く

          なんてけったいな名前! に込めた意味

          洋酒コレクターが終活してわかったこと④

          洋酒コレクターの終活方法とそれぞれ向いた人をまとめてみた。 1. 買取業者に売却するのが向いている人 →味に興味なく手間なく儲けたい人。例えば、ラベルやボトルに興味がある人、本数を集めることに興味がある人、病気などの理由で飲めなくなってしまった人など。 2. 遺品整理業者に依頼するのが向いている人 →一軒丸ごと整理したい人。例えば、離れて住んでいる遺族。 3. 縁のあるコレクターに譲るのが向いている人 →コレクションに情愛が深く、たくさんのコレクターと交流があって物事を

          洋酒コレクターが終活してわかったこと④

          洋酒コレクターが終活してわかったこと③

           ここで前回の話を整理しておこう。 1. 買取業者に売却 ○メリット:比較的手間いらずで儲かる ×デメリット:味見できない →味見は絶対なので却下 2. 遺品整理業者に依頼 →生きているため却下 3. 縁のあるコレクターに譲る ○メリット:コレクションが生かされる ×デメリット:心情的に意外に難しい →残念ながら断られた  いろいろ思いつめた末、次のようなことも考えた。 4. 一部味見して、残りは捨ててしまう  真のコレクターなら、ボトルと同様に生産者やボトラーズに

          洋酒コレクターが終活してわかったこと③