公益社団法人京都染織文化協会

公益社団法人京都染織文化協会は、日本の染織文化の啓発と染織技術の継承のために様々な取組…

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公益社団法人京都染織文化協会は、日本の染織文化の啓発と染織技術の継承のために様々な取組みを行っている非営利団体です。 HP:https://senshokubunka-kyoto.jp/

最近の記事

第5回 染織祭調査4 染織祭挙行における宣伝広告物調査

1.はじめに  今回は国立国会図書館デジタルコレクション(以下デジタルコレクション)を利用した調査で新たに分かったことのうち、染織祭の観光客向け頒布物について下記表⑦を中心に掘り下げて調査を行いました。今回の調査ではその宣伝広告等についてまとめ、京都市をはじめとした関係者たちがどのように染織祭をPRし、集客をはかったのかについて探っていきます。 2.京都市と観光  「京都市政史 上巻」によると、日本が観光に力を入れたのは、昭和5年4月に鉄道省の一外局として『国際観光局

    • 第4回 染織祭調査3 洋画家・太田喜二郎が描いた「染織祭の感想」調査

      1. はじめに  今回は国立国会図書館デジタルコレクションを利用した調査で新たに分かったことのうち、染織祭を扱った絵画について調べていきます。大正から昭和にかけて京都の洋画壇をけん引した洋画家、太田喜二郎が染織祭の様子を描いた「染織祭の感想」について、下記表③を中心に調査を行いました。 2. 太田喜二郎とは  太田喜二郎(以下、太田氏)は1883年に京都・西陣の織物商の家に生まれました。1903年には東京美術学校西洋画科に入学し、1908年にはベルギーへ留学、画家エ

      • 第3回 染織祭調査2 国立国会図書館(デジタルコレクション)調査2

        はじめに  前回、国立国会図書館デジタルコレクション(以下「デジタルコレクション」とする)の調査では、今までの調査で協会でも把握できていなかった当時の染織祭についての報道や関連した展示などについて一部判明しました。今回は、前回デジタルコレクション調査で新たに判明したことについて、また、さらに調査を行い判明したことについて一部ご紹介します。 前回の調査について  前回新たに判明した染織祭の情報です。  染織祭は現在でこそ幻となってしまいましたが、上記表(1)にあるよ

        • 第2回 染織祭調査1 国立国会図書館(デジタルコレクション)調査1

          1.はじめに  これまで行われた染織祭調査では、当時染織祭に携わっていた和装関連商社、関係者を中心に、染織講社より衣装と共に移管された書類や当時の新聞記事などを元に調査が行われました。 染織祭についてさらに深く調査を進め、当時の詳細な背景を知るため、今回調査対象を次のように広げて調査を行うことにしました。  染織祭の「京都市で」「昭和初期、20年間のみ行われていた」という特徴から、まずは足掛かりとして国立国会図書館デジタルコレクションの全文検索を利用して調査を行いまし

        第5回 染織祭調査4 染織祭挙行における宣伝広告物調査

          第1回 公益社団法人京都染織文化協会 ~昭和初期の京都で行われた「染織祭」について情報を募っています~

           公益社団法人京都染織文化協会は、昭和初期京都四大祭りのひとつと言われていた染織祭という祭りにおいて、女性時代風俗行列で用いられた衣装「染織祭衣装」を現在まで保管・保存する取り組みを続けている他、多くの方に日本の伝統的な染めや織りを継承する染織文化について広く知っていただく活動を行っています。衣装が制作されるきっかけとなった「染織祭」がどんな背景の中で生まれ、業界や市政などにどういった影響を与えたのか等を知るため、平成23年度から調査を続けています。現在染織祭が行われていた昭

          第1回 公益社団法人京都染織文化協会 ~昭和初期の京都で行われた「染織祭」について情報を募っています~