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ガソリンスタンドとお金

「経営とお金」という視点から、いつか自分で事業をやってみようという方や、既に事業を行っている方向けに、普段の生活や事業に役立ったり役立たなかったりするような「問い」について考えてみようというnoteです。

改めまして、一般社団法人コンセントの菅野です。銀行員、会社員を経て、現在は、岩手県盛岡市を中心に地域密着で法人・個人事業主向けの経理財務サポート事業を行っています。

それでは早速、はじめていきたいと思います。


ガソリンスタンドとお金


『LINEの友だち登録で2円引き』

大きなQRコードが掲載された緑色のポップが、ガソリンスタンドで給油しようとした時、ふと目に留まりました。計算してみると40リットル入れたとして80円お得ですが、登録せずにそのまま給油を始めることにします。

さらに計算すると割引率は「1%」くらい。この80円がお得かどうかはさて置いて、給油ノズル片手に、この「LINEお友だち作戦」はいったい何のためなのか、という疑問が湧いてきました。

これが仮に、ガソリンスタンドのリピート顧客獲得のための販促企画だとすると、お客さん一人あたり約80円の予算が使えることになります。そして、「LINEお友だち作戦」は、その80円を最も有効に活用する方法として考え抜いた末の企画だったのでしょうか。(例えば、毎回ペットボトルのお茶1本貰った方が、なんか嬉しいかも?)

また、そもそも「一人あたり80円」という予算感は、リピート顧客増加や売上増加といった目的があったとすると、それを達成するのに十分な予算だったのか。この点について検討がなされたのかも、気になってきました。

実際のところ、誰がどのように考えてこの作戦を立てたか知る由もないので、目の前の「LINEお友だち作戦」の良し悪しは分かりませんが、値引きなどの販促企画を考える時に、企画の「目的」抜きで「内容」から考え始めてしまうようなことは、無意識的にやってしまうかもと思います。

帰宅後に、果たしてリピート増加に値引きは有効なのかと調べていたら、「ポイント」と「値引き」どちらの方が、お客さんは得に感じるか、ということについて分析した論文がありました。

小売業におけるプロモーション手法の検討
――ポイント制度と値引き販売に関する実証分析――
(著:青木 章通, 佐々木 郁子)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mjmar/4/2/4_3/_article/-char/ja/

こちらの論文によると、

・リピート利用して貰いたいなら「ポイント」
・来店頻度高めたい場合も「ポイント」
・短期的な売上アップなら「値引き」

ちなみに、新規顧客獲得の場合は「どちらでも良い」みたいです。

この結果を踏まえると、ガソリンスタンドがリピート顧客を増やしたい場合は、値引きよりも何らかのポイントサービスを始めてみると結果が出やすいかも、ということになります。

簡易的なポイント企画としては、ファミレスの「次回ドリンク無料チケット」のような次回来店を促すようなものなら、すぐに始められそうです。

現場では「とにかくやってみる」試行錯誤も大切ですが、時間(スタッフ含む)やお金を浪費から守るためにも、リーダー的な立場の方が、行動と知識のバランスに気を配っておくことは、経営資源が限られている地域企業では文字通り死活問題かと思います。

結局、ガソリンスタンドでは80円損したかもしれませんが、販促についてお客さん目線から感じるきっかけを貰えた、楽しい給油時間となりました。

また今度給油するときは、別のガソリンスタンドに行ってみようと思います。


ごあいさつ

最後までご覧頂きありがとうございます。

岩手県盛岡市を中心に地域密着で活動していますが、県内のみならず、ぜひ全国の都道府県の方々の「経営やお金」にまつわるお話も伺ってみたいと思っています。

また、事業をやってみようとお考えの方や、既に事業を行なっている方からのご感想、ご意見やご質問、「これについてどう思う?」といったお話についても、お気軽にご連絡ください。

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