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横隔膜の機能解剖~胸郭と呼吸の基礎~
初めに
ご訪問いただき、ありがとうございます。
きょーすけ(@kyosuke_keira)です。
パーソナルトレーナーやってます。
今日は【生きる】上で欠かすことのできない横隔膜という筋肉について紐解きます。
わかりやすく書くことを心掛けてますので、最後までお付き合いください。
YouTubeでも解説してますので、併せてインプットにお役立てください。
横隔膜の機能と解剖
ヒトは 食事をしなくとも2~3週間は生きられ、水を飲まなくても4~5日は生きられますが、呼吸をしないと5~6分しか生きられないといわれています。
ヒトは1日に約23,000回もの呼吸をしますが、その呼吸の70%~80%を担う組織が横隔膜なんですね。
▲横隔膜の機能解剖▲
~起始部~
・肋骨部:第7~12肋軟骨内面
・胸骨部:剣状突起後面
・脚部:右脚(L3)、左脚(L2)の腱性付着部を介してL1~L3椎体
~停止部~
・腱中心
注目していただきたいのが脚部。
右側の方が長い(遠位に付着)ですね!
肝臓が右側にあるために横隔膜のドームは右側の方が高くなり、脚部も右側の方が遠位にあるため、横隔膜には自然と左右差が生じます。
横隔膜は呼吸筋
呼吸はどこでしていますか?
肺!とか口!とか鼻!と思う人が多数だと思いますし、恐らく僕もこの仕事をしていなければそう答えるでしょう 笑
基本的に、これらはすべて呼吸を行う運動はできません。
あくまでも空気の通り道として使用される器官です。
口に至っては、消化器官ですからね。
全ての呼吸は、横隔膜によって行われます。
冒頭にも書きましたが呼吸の70~80%を横隔膜が担っています。
ちゃんと働いてくれないと大変。困っちゃいます。
実際問題として、横隔膜の機能低下は肩こりや首こりの原因になります。
呼吸という動作は、胸腔が拡張することで肺も拡張され、空気を取り込むことができます。
その胸腔の底が横隔膜です。
頸部筋群が天井、胸部筋群が左右の壁、横隔膜は前述したように床のような役割です。
胸腔が拡張するときは四方が均等に拡張するのが望ましいですが、横隔膜が機能低下していると床が下がらないので、壁や天井がより過剰に使用する必要が出てきます。
横隔膜の機能として重要なのがZOAです。
ZOAって何?
これは横隔膜のアーチの頂上(腱中心)から息を吸って平になるところまでの可動域のことでZOAが小さい=横隔膜の動きが小さいということです。
※横隔膜は息を吸うとドームが平になり、息を吐くとドームに戻ります。
このZOAをしっかり確保することが適切な呼吸をするために必要なことですが、ZOAは肋骨(胸郭)の形状によって変化します。
胸郭の機能解剖
背面側:肋骨頭関節(肋骨頭と胸椎が接触)、肋横突関節(横突起と肋骨が接触)を合わせた肋椎関節がある第1~12肋骨すべてが胸椎と関節を構成します
前面側:肋骨と胸骨が合わさる胸肋関節があります
第1~7肋骨は胸軟骨や肋軟骨を介して胸骨に付着(真肋)
第8~10肋骨は直上の肋軟骨に付着(仮肋)
第11,12肋骨はどこにも付着しない(浮肋)
肋骨は胸椎と胸骨に接触しています。
肋骨12本、胸椎12個、胸骨を合わせて胸郭といいます。
胸郭は重要な臓器(心臓や肺)を守る構成物であり、空気を入れるために動きます。
ASIS(上前腸骨棘)の直上を辿り最初にあたる骨が第10肋骨であるなんてことはよく言われますね!
次に肋椎関節について
関節には常に【締まりの位置】と【緩みの位置】がありますが肋椎関節においては
肋骨の【外旋】が【締りの位置】
肋骨の【内旋】が【緩みの位置】
になります
肋骨の外旋とは、肋骨が後方回旋して前側が開いている状態で
肋骨の内旋は、肋骨が前方回旋して前側が閉じている状態です。
締まりの位置(肋骨の外旋)では関節の適合性は高く安定しますが可動性は低下します。
肋椎関節が締まりの位置になると胸椎も可動性が低下するので、脊柱の分節性も低下します。
前述したZOAはこの肋骨の内外旋にも関わります。
肋骨が外旋していると肋骨は開くので、横隔膜も横に引っ張られます
反対に肋骨が内旋していると肋骨が閉じるので横隔膜は中心に近づきます
どちらが横隔膜のドームが低くなるかといえば、肋骨が外旋して横隔膜が外に引っ張られている状態のときです。
ZOAが小さいと胸郭の拡張が起きないので、空気が入ってこないんでしたね!(呼吸が浅くなる)
バケツハンドルアクション
ZOAに影響する動きには肋骨の内外旋以外に下位胸郭の運動で【バケツハンドルアクション】というものがあります。
下位胸郭がバケツの取手のように動くことから名づけられたものですが、息を吸うために横隔膜の中心部が下降してくると、横隔膜の下にある内臓を押しつぶします。
押しつぶされた内臓はぎゅっとなり、これ以上下がれませんと下降を止めます。
この時にもっと息を吸うためには、さらなる胸腔の拡張が必要になるため今まで堅牢で動かなかった下位胸郭が外側に向かって引っ張られはじめるのです。
筋肉には、起始停止という概念があります。
基本的に起始部(近位)に向かって停止部(遠位)が近づくことが関節運動として紹介されますが、横隔膜の場合はちょっと違います。
起始部である肋骨側が最初は固定点となり、内臓にぶつかることで下降できなくなります。
すると肋骨側の起始部が動くことになるため、起始部と停止部が逆転する現象が起こります。
解剖的には特殊ですが、呼吸においてはこれが正常な動きなのです。
しかし、ある特徴を持つ人にはバケツハンドルアクションが見られない場合があります。
ある特徴、それは...
リブフレアしてしまっている人です。
リブフレアって何?
横隔膜が下降するためには、そもそもの横隔膜のアーチ(帽子でいえば被るところの溝の深さです)が必要です。
高さのないものは下がれないですよね?
リブフレアとは、肋骨が常に外旋位になってしまっていて、前側の肋骨が開きっぱなしになってしまう歪みのことです。
リブフレアを起こしていると、横隔膜のアーチがなくなってしまいます。
横隔膜が下降しないので内臓の圧迫も起きず、下部肋骨も動かないのです。
リブフレアしている → 横隔膜が下降しない → バケツハンドルアクションがおきない → 呼吸がうまくいかない → 肩こりになる
まとめ
今回は横隔膜を中心に、それに関わる骨、関節に加えて、機能低下によるエラー現象にも触れてみました。
いかがでしたでしょうか?
リブフレアについての詳細はコチラをご覧ください!
コメント、ご感想、頂けますと嬉しいです!
お待ちしております。
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