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『TOURISM』 『ひかりの歌』公開記念 往復書簡6(杉田協士→宮崎大祐)
宮崎さん、こんにちは。
『TOURISM』公開おめでとうございます。
最後に宮崎さんからいただいた手紙の日付は昨年の12月12日で、半年以上が経ちました。この往復書簡をはじめるにあたって、私の方から宮崎さんに、新作である『TOURISM』のスクリーナーをお借りしたいとお伝えしたのに、いざ自宅のモニター前に座ると、再生をクリックすることができませんでした。この作品にはスクリーンで出会いたいという
『ひかりの歌』公開記念 往復書簡5(宮崎大祐)
こんばんは。
昨夜は渋谷までSabaというシカゴのラッパーを見に行ってきました。
奇しくも会場は僕が一番好きな映画であげようと思っていた『ポーラX』を二十年ほど前に見たシネマライズの跡地でした。
ここまでのセゾン文化云々というやりとりを経てのライズでもあり、一区切りを予感していたところです。
いやーしかし昨夜のライブは本当に良かった。
ラッパーだからといって着飾って喧嘩やら麻薬やら拳銃の話をしなく
『ひかりの歌』公開記念 往復書簡4(杉田協士)
宮崎大祐さま
宮崎さんから届いた手紙がとてもおもしろくて、読みながら声を出して笑っていました。宮崎さんが反抗の火柱として燃え上がっていく過程が、どうしてこんなにたのしく読めてしまうのかを考えていました。書いている宮崎さんが歳を重ねてすこし弱ってきて、そのことを受け入れているからでしょうか。映画をつづけるのが、意地と食い扶持のためだと言いきる宮崎さんが書く言葉だからこそ、私には響くのかもしれません
『ひかりの歌』公開記念 往復書簡3(宮崎大祐)
杉田様、
おはようございます。
この手紙を僕が書いているのは早朝なのですが、メールを送信した時間で言えばこんばんは、杉田さんがメールを開く時間でいうとこんにちは、かもしれません。
ともあれ、ここしばらく狭い自室にこもって朝から晩まで様々な文章を並行して書いていたので、いささか混乱しており、返信が遅れて申し訳ございません。
杉田さんが映画を撮り続ける理由にはこういったささやかな生活や現実体験があ
『ひかりの歌』公開記念 往復書簡2(杉田協士)
宮崎大祐さま
こんにちは。
今朝からとても寒くなりました。ガスストーブを出して、部屋をあたためています。ここ数日、夜遅い時間に航空機やヘリコプターが低空で飛ぶ音が響くようになって、宮崎さんの『大和(カリフォルニア)』を思っています。
先週届いた手紙を読みながら、この1週間は、自分と映画のことをふりかえる日々でした。映画への思いのようなものを言葉として生み出そうとすると、本当かしらと疑念ばかり
『ひかりの歌』公開記念 往復書簡1(宮崎大祐)
杉田様、
こんにちは。
往復書簡、自分から言い出しておきながらおそくなってすみません。
いまだにどうしてこんなことを言い出したのか自分でもわからないままなのですが、おそらく2018年という平成最後の、映画なるものがほぼ死に絶えかけている時代に自分がどんなことを考え、生きていたかという記録が残したかったのだと思います。
直感的に。
ともあれ、そんなきっかけを与えてくれたのが杉田さんの『ひかりの歌』