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記野式:サクッと!ゲーム業界講座  5月後半号

こんにちは。あっという間に5月も下旬です。今年はE3(Electronic Entertainment Expo)で業界の皆様とお会いできると思っていたのに中止になってしまいましたね。E3自体の是非はともかく、そういう機会がひとつ減ってしまったのは残念です。

さて、今号のまえがきは記野がLGBTQの議論に踏み込んでみました。ゲームとは直接関係ないですが、読み物として読んで頂ければ幸いです。

今号は売上データの報告で満載です。アメリカ市場データCircana(旧 NPD)から始まりますが、ヨーロッパ、イギリスの4月のゲーム市場、欧米日の4月のPSNゲームランキング、4月のSteam Deckランキング、それから4月の世界のモバイルゲーム市場についても報告します。注目のニュースも読んでほしいニュースがありますので、最後までおつきあいくださいね!

なお、本記事での為替レートは1ドル=139円で計算しています。半月で5円以上円安なんですけど…。

<記野式まえがき:日本はLGBTQ対応が遅れているのか?>

最近のニュースで、日本はLGBTQへの対応が遅れているとよく聞きます。これだけを聞くと、あたかも我々日本人がLGBTQへの理解が足りず偏見の目を以て差別をしているダメな国だと思いこんでしまいがいちですが、本当にそうなのでしょうか?

1.実は日本はLGBTQに寛大

2017~2021年に行われた個人の価値観を世界100以上の国・地域で調べる国際プロジェクト「世界価値観調査」の調査の中で、同性愛の質問を75カ国/地域で実施したデータがあります。

日本経済新聞より

同性愛を「認める」の割合は特にヨーロッパで高く、日本はフランス並みで55.3%。18位でアメリカよりも高いのです。

実は、私には数十年来の友人がアメリカにおり、数年前、同性愛者同士で結婚をしました。彼らはとても幸せそうで私にとっては男性と女性の夫婦と全く変わらないように見えました。この制度が施行され「婚姻」という形を勝ち取るまでの軌跡を考えれば、両性の夫婦よりももっと幸せをかみしめているのかもしれません。

私が渡米した際に彼らのお祝いも兼ねて会ったときの話をしましょう。私は完全に「日本が遅れている」という刷り込みで「アメリカはいいよね。自由の国だから」と軽口を叩いたのですが、それにには意外な回答がありました。

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