記野式：サクッと！ゲーム業界講座　　5月後半号

こんにちは。4月のアメリカ市場データNPDの速報が発表されましたので今号はその報告なんですけど、いろいろとおもしろいニュースがありましたのでぜひそちらも読んでいただきたいです。

ゲーム業界を取り巻く巨大M＆Aに大きな動きがありましたし、NFTに関しても進捗ニュースがありますよ！ぜひ楽しんで読んでみてください。

実は私、いま出張でアイルランドのダブリンにおります。なんと3年ぶりの海外出張ですが、時差にも負けず、びっちり入ったミーティングスケジュールにも負けずメルマガを書いてます！笑。

出張の話はあとがきで書くことにして、アメリカのテレビ事情のまえがきからまいります。そのあと4月のNPDとヨーロッパデータが続きます。

今回の為替レートは1ドル＝127円で計算しています。

＜記野式まえがき：まだまだNetflixは強い！＞

アメリカの市場測定会社ニールセン社の発表によると、アメリカにおけるストリーミング映像視聴は、映像視聴全体に占める割合がこれまでで最も高い30.4%を獲得し、記録を打ち立てました。

一方、テレビ、ケーブルテレビともに視聴が減少し、それぞれ3％、2.5％ダウンとなっています。ニールセンによると、テレビではドラマが14.7%ダウン、スポーツが38.2%ダウンとなっています。ケーブルテレビでは、ニュース視聴が16.9%ダウンしたものの、NCAAバスケットボールファイナルとNBAによりスポーツが17%アップしたため、相殺されているとのこと。

上記Subscription Video on Demand（SVOD）のシェアを見てください！4月から、HBO Maxはアメリカの 映像視聴で1%のシェアを獲得したためピンで名前を出してもらえることになりました！笑。

今まではHBO MaxはNielsenの「その他ストリーミングサービス」カテゴリに含まれていました。ブランドを出してシェアをレポートされるのは「1%」を超えることが条件だったのです。そのしきい値に達したため晴れてピンでシェアを報告されることになりました！笑。

3月末時点で、HBO MaxとHBOのアメリカ国内加入者数は4,860万人で、前四半期から180万人増加しています。

HBO Maxも表に出てきたことですし、いよいよSVODがテレビを席巻し始めていますね！

4月のテレビ視聴時間のシェアは、Netflixが6.6%でSVOD中で1位となり、以下、YouTube（6.1%）、Hulu（3.3%）、Amazonのプライムビデオ（2.5%）、ディズニー＋（1.7%）と続いています。

ニールセンが4月18日～24日の1週間にアメリカで最もストリーミングされたタイトルを発表してくれました。

4月18日～24日の1週間の視聴タイトル1位は、Netflixですでに5シーズンが配信されている『Better Call Saul（ベター・コール・ソウル）』で、8億2,100万分（1368万時間）視聴だったとのことです。これは、AMCが同ドラマのシーズン6を4月18日から放送開始したことによるものです。

4月18日週のニールセンのストリーミングチャートトップ10に入った唯一の非NetflixタイトルであるDisney+のマーベルタイトル『Moon Night（ムーンナイト）』は、前週の6億3,800万分視聴に対し、6億3,000万分の視聴を記録しました。

5月は『Obi-Wan Kenobi（オビ＝ワン・ケノービ）』も始まりますのでDisney＋のさらなる躍進が見られるかもしれません。

HBO Maxがシェアを伸ばしているとか、Disney＋がコンテンツを強化しているとか言っても、シェアを見る限りNetflixがまだまだ頑張っているのは明白です。もともとIPホルダーであるHBO MaxやDisneyのライセンス映像でSVODを広めたNetflixです。業界の功労者としてさらに踏ん張っていただきたいと思うのは私だけではないはず。

＜2022年4月　米国ゲーム市場動向 NPDデータ分析！＞

恒例の米国NPD月間データを見ていきましょう。2022年4月のアメリカのハードウェア、ゲームソフト、アクセサリー全体の売上は前年比8%ダウンの43億ドル（約5,461億円）でした。ハードは売上を非常に伸ばしたのですが、ソフト、アクセサリーの下げが大きかったのです…。

１．2022年4月の市場概況

2022年4月はPlayStation 5とXbox Series X|Sの供給量が増えたため、ハードウェアのセグメントは久しぶりに前年同月比プラス成長を記録したのですが、ソフトウェア・アクセサリーの前年同月比ダウンを相殺するには至りませんでした。