コミュニケーションを処方する、を。

わたしは「こころの健康医学研究所」の代表として、治療やケア、講座提供などを日頃行なっているのですが、今一番やりたいこととして、そしてこれは早急に必要なんじゃないか、と思うことが、コミュニケーションを処方できる人材を増やすことだと思っています。

コミュニケーションを処方するとは。今、何々カウンセラーや〇〇コーチといった方々が調べればたくさん出てきます。が、です。わたしらしく生きる、や、幸せを感じる、などなど、そのほとんどが楽しい場所と時間は提供してくれるものの、本当に心が病みそうになった時に相談にのってくれる、その方の心の力を引き出す、まだ見えていない可能性までを引き出せるコーチングやカウンセラーをしてくれる方々が多くないのが現状です。

以前、ワクワクだかキラキラだかのカウンセラーさんが「わたしは、エネルギーが低い人ではなくエネルギーが高く意識の高い人にカウンセリングを提供したいのです」とおっしゃったことがあって…。ちょっとびっくりしました。それはもしかして、余裕があって日ごろから美や丁寧な暮らしに興味があって、ワクワクを人生にもっと増やしたいというクライエントさんを対象にしたいと思ってらっしゃるのだと思うのですが、そっか〜、、じゃあ、ちょっと悩んでいる、とか、何となく調子が悪い、って感じの時に相談するとエネルギー低いから嫌がられるのか…と思ってしまいました。その方は、ご自身がいわゆるセレブになりたいのかなぁと感じてしまい、それ以上お話しがかみ合わなくなってしまいました。

わたしがいう、コミュニケーションが処方できる人というのは、本当の聴くプロのことです。話しをする、コミュニケーションを取るだけでクライエントさんが元気になれる!そんな処方できる人です。エネルギーが高かろうが低かろうが、その人の本来持っている力を引き出せるかどうか。例え愚痴が長く続きそうだったとしても、その言葉がどうして出てくるのかがきちんと見え、それでもその方の力に焦点を当て引き出せる質問ができるかどうか、です。よく、あの人と話すと何だか元気になるよね、という人っていらっしゃいますよね。そういう方は、本当に相手の話しをしっかりと受け止めていらっしゃる方。私の中では、幼少期に入院していた頃の担当の看護師さんがまさしくそんな方でした。

人は往々に原因志向であって、何かあると「どうしてこうなるのだろう?どこがいけないんだろう?」と考えます。その原因が見つからないと今の困っている自分は解消されないと思っています。でも、解決志向であると、困難なことや困ったことが目の前に現れると、「どうすればこれを解決できるだろう?」「どうすれば乗り越えられるだろう?」の視点になり、原因云々ではなく今の状況に“対処”していけるというもの。

そして、もし自分自身が問題志向であっても、解決志向のカウンセラーさんやコーチの方に、自分の力を引き出すコミュニケーションをされると、はっ!と気づくことができるのです。えっ?!これもしかして問題じゃなかったかも?なんて。

その気づきを促す視点を持つ、そんなプロのセラピストさんを増やしたい、と思うのです。そんなセラピストさんが本当に増えることで、今何となくモヤモヤしている人や未病という状態に陥っている人、うつと診断されて何年もお薬を飲んでいる人なんかは、本当にはっ!と気づかされることあると思うのです。全国にそんな本当に聴くプロがいて、でも、体のこともきちんとわかる人、そうだなぁ、わたしは看護師の方や鍼灸師の方がぴったりだと思っています。もちろん医師でもよいのですが、病院に行くのもちょっと、でもこの不快な症状、心のモヤモヤを何とか相談できないか…、の時に、看護師の方々の教育課程と人に対する前提があることで、聴くことが一番すんなりとできると思うのです。そして、鍼灸師は東洋医学のプロです。鍼を刺す人だけではなく、病理学も生理学も入っています。体を診ることができ、そして聴くプロであれば、もう本当に心も体も全てお任せ!なわけです。

体を診るとなると、これは確実に原因志向で診なければいけなくて、心の状態を解決志向で診る。以外に難しいかも、と思いますが何てったって国家試験を通ってきた人たちです。できないはずはない(笑)。鍼灸師さんって鍼を刺す人、と思われすぎていて東洋医学の専門なんですよ!とお伝えするとびっくりされます。あんなに東洋医学の授業を受けているのに〜〜と。国家試験も皆が苦労する東洋医学の分野。その観点から診ると、心も体も同じくして、は当たり前なんですよね。

と、いろいろと構想があり、でも、ここのところ少し余裕がなくなっていたので、一旦仕切り直し。9月に入ったのでボチボチと新たな方向へシフトしていこうと思うのであります。コミュニケーション、人とのつながり、決してオンラインが普通になることはないのです。オンラインの特徴である言語でのコミュニケーションだけでは、繫がれないつながりがやっぱりあるのですよ。人と会いながら、今までとは違うコミュニケーションの確立が大切!ということ。オンラインでしかできないことも増えると思いますが、そうでない反動も出てくるのが今後だと思っています。


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