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【サポーター論】イニエスタと詐欺【サッカー観戦の視点】

愛するクラブの為に、雨の日も、風の日も、遠くのアウエイの試合も、声を張り上げ、レプユニを購入し、スタグルを食べ、クラブの愛を語る。

クラブの成績が良くても悪くても、監督が理解不能な戦術を取っても、相手の外国人ストライカーに無慈悲なゴールを決められた時も、決してクラブを諦めること無く応援し続ける存在、それが『サポーター』。

野球の『ファン』でもなく、バスケットボールの『ブースター』でもなく、サッカーの『サポーター』について、記事を書いてみようかと思います。

また、サポーターの範囲はどこまでなのか?という議論がよくされますが、このブログのサポーターの定義を決めておくとすれば、「クラブのためにスタジアムに通う・お金を落とす・クラブの布教のいずれかをしている人」と落としてみたいと思います。相当長い議論の中で、自分はここがサポーターのラインじゃないかと思います。サポーターは、応援集団の中で声を張り上げる人だけではないという所がポイントです。

【イニエスタと詐欺】

最近、ツイッターを見ているとチラホラと見かける話題がこちら

スペインのビッククラブの中のビッククラブであるバルセロサで活躍したイニエスタ選手が、楽天のポケットマネーで日本のヴィッセル神戸に移籍してきたことは記憶に遠くないですよね。

そのイニエスタ選手を一目見たいと、ヴィッセル神戸の試合のチケットはプレミア化していき、すでに8月上旬のキンチョウスタジアムで開催されるC大阪戦と、味の素スタジアムで開催されるFC東京は異例の完売となり、オークションサイトなどでは数万円でそのチケットが売買されるといいます。

それがなんと、イニエスタ選手が家族が来日するために一度スペインに帰国をするというのです。詳細は不明ながら、8月上旬の試合は出場が難しいとされています。

これに対して、「イニエスタ選手が見たいからチケットを買った」という人たちが猛激怒。『詐欺だ!』と喚き散らす人まで現れました。

どうしてこんな状況になってしまったのかについて考えてみましょう。

【異なるサッカー観戦スタイル】

サッカーの楽しみ方は人それぞれです。例えば、「このチームの作戦が好きだから好き!」という人もいれば、「イケメンの選手がいるから、好きな選手が在籍してるから好き!」といったように、『サッカー観戦』には様々な理由が存在します。

他にも「スタジアムでグルメを食べるのが好き」「スタジアムで知り合いとコミュニケーションをとるのが好き」といった事もサッカー観戦の理由でしょう。

数多あるサッカー観戦をする理由を簡単にまとめてみました。

僕の定義では、サポーターを3つに分けてみました。

あえて①と②を「重視」という形にしているのは、それらを兼任していたり、チームによってモチベーションが異なると思い、あえてそうしてみました。

①のゲーム性重視という人から簡単に説明をしてみます。

①ゲーム性重視

ゲーム性重視型といえば、サッカーを戦術的にみることに面白さを見出す人のことですね。

チーム同士の「攻撃」「守備」「トランジション」に注目して、チーム全体のプレーモデルを解読し、その是非を問うことや改善案などを提示することに意味を見出している人ですね。このタイプは、記者だったり、本などでサッカーの戦術をしっかり勉強している人が多いと思います。

ちなみに、最近の僕はこれに当てはまるのかなと思うのですが、試合によってもワールドカップになると「わー頑張れー」と戦術的な目線を全く捨てるときもあるので、人それぞれ「私はコレ!」というものはないかもしれませんね。

②サポーター型

サポーター型とは、主にスタジアムに通うことに価値を見出している人なのではないかと思っています。

サポーター席で応援している人もそうですが、サポーター論の定義からすると「クラブのためにスタジアムに通う・お金を落とす・クラブの布教のいずれかをしている人」も含まれますね。

こういった行為をするのが楽しいから、生きがいだからサッカー観戦をしているといった人はここに分類されると思います。ちなみに、僕は①と②の兼任です。

③バラエティー性重視

サッカーを観戦する人として、この「バラエティー性重視層」をいかに、客層に取り込み、サポーター型に変化させていくかという部分が重要かと思っています。巷ではこれを恐らく「にわか」と呼んだりします。

誰しも最初はここからスタートする訳ですが、このバラエティー性重視型の人は本当に難しい議論になってきます。

そして、このイニエスタと詐欺についての議論についても、「詐欺だ!」と騒いでいるのは確実にこの層が中心となっています。(①と②の目的は、イニエスタだけではないが、③はそれをメインとして試合に来ているから)

こういった層の観戦の目的は、画像にも書いてありますが、「面白い展開」だったり「日本代表、世界のスーパースター選手」なのです。この層が多いチームは、チームとしての一般層に向けた他の娯楽に劣らないバリューを提供できているという見方もできますね。カテゴリが違うだけで、サッカー観戦の人数は大幅に変わってくるのもそれが理由だと僕は思っています。

【イニエスタ欠場は詐欺なのか?】

結論から言いましょう。

「詐欺な訳あるかボケ」

チケットを購入した人の心理は、先ほどのサポーターの性質からいくと③の人は、あくまで「イニエスタが在籍しているチームの試合のチケットを購入した」に過ぎないのです。

サッカーをゲームとして見たときに、特定の選手が試合に出るか否かなんて、対戦相手の状況・試合展開などから起用されないなんて当たり前です。イニエスタが出場と公言していた上で、起用しなかったら詐欺といってもまだ分かるのですが。

サポーター型の人達なんて、地方をいくつもまたぐレベルの遠征をして、自分のお気に入りの選手が起用されなかったといって詐欺と言う人はほとんどいません。それは、自分はチームを応援しているという部分に価値を感じているからですね。

今回のケースでは③バラエティー性重視型の人がいつもより多くチケット購入に乗り出した、またその要因がイニエスタ選手という注目度が高いところの話だったということから話が大きくなりすぎてしまったのではないかと思います。

【まとめ】

今日のお昼ご飯は回鍋肉でした。


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