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夢のカケラを抱きながら、みんな日々を生きてる

最近ハマっているプロレスに、趣味でダンスをやってる仲間を誘ってみたら、その内の一人(女性)が「以前の会社の上司(年下)が、学生プロレスをやっていてプロレス熱がすごくて、顧客との飲み会でも熱く語って、先方もノリノリになって「行こう!」という流れになり、後楽園ホールに観に行ったことがある、2回ぐらいかな」と言っていて、その時見た棚橋戦の画像を送ってくれた。驚いた。
落ち着いた感じの会社員の人で、私みたいに変なTシャツ着て、いつもライブだ舞台だ、この漫画が面白いぜ!!とサブカル方面にワーワーうるさいタイプの人間じゃないから、意外だった。

その上司の人も、どのくらい学生プロレスをやっていたのか知らないけれど、プロレスラーになりかけて諦めたのか、それともプロレスをやるのは学生までと決めていたのか。でも、人を巻き込む力が凄い。巻き込まれた部下や顧客も、もしプロレスが引っかからなくてもその人のことは覚えていると思うし、引っかかったなら、こっちのもん。仕事でもプライベートでもいい関係が続いてるんじゃないかな。

こうして仕事で会った人とも雑談する機会があったら、自分が今ハマっていることをどんどん話してみるのもいいと思う。
その時は、その人の琴線に引っ掛からなくても、人が好きなことをイキイキと話してる姿はいいもんだし。少なくとも愚痴や噂話よりはずっといい。もし、熱を入れて話してもいまいち相手がのってこないな、と思ったらスッと引けばいいしね。
お若い方々、スーツを着て仕事の顔になってるおじさん、おばさんも実はプロレスや漫画、ロックが好きだったりするよ。演劇青年だった人もいたしね。
趣味で繋がったら、人付き合いの間口も広がるし、そこから思いもかけない仕事に発展するかも知れない。仕事絡まなくても、豊かな人間関係が築けることもある。

以前も、お役所仕事的なお堅い撮影現場で、休憩時間に
「私、今エレカシが好きでライブに行ったりしてるんですよ〜」と何気なく言ってみたら50代くらいの職員の方が
「そうですか!僕もエレカシ好きですよ。実は学祭に来ていたエレカシに衝撃を受けて、バンドを辞めました」とのこと。(えっ?辞めたの?始めたんじゃなくて?)と思って、どういうことか聞いてみたら、その頃、ロックを聴き始めギターを買ってバンド活動を始めたばかりだったそう。その矢先、エレカシの演奏と歌を聴いて衝撃を受け、こんな凄い人たちがいるんなら僕らなんて絶対に叶わない。
これがロックだ。と絶望して、即ギターを売り、しばらく学業も手につかなかったそう。バンド青年に「絶望」を与えるエレカシ。とんでもないよ。

その後、エレカシがレコード会社との契約が切れた時もとても驚いたそう。
エレカシが売れない世の中なんておかしいだろう?」と、それから「今宵の月のように」がヒットし「俺たちの明日」が街中に流れた。会社の部下もカラオケでエレカシを歌う。それに勇気づけられているのだとか。
人は叶わなかった自分の夢を誰かに託して、その夢のカケラを日々を生きる糧にしている。そんな思いを誰かを共有できる瞬間が、たまらなく好きなのです。





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