長電バスの日曜全休は英断か横暴か
こんばんなまらステ❤️Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨
最近バスドライヴァー不足以外の話題してたっけ❓
いい加減別の話題を見つけないと、って思うんだけど、ビッグバン級の話が出てきてしまった。
長電バスはその名の通り長野電鉄の系列バス会社だけど、九州で「ながでん」というと長崎電気軌道、つまり長崎の路面電車を指すので気をつけてね。
電車は現在長野ー湯田中間しか残ってないけれど、グループとしては北信と呼ばれる長野県北部をテリトリーにしていて、長電バスはその足を担ってきた。
西武バスと組んで上信越道・関越道経由の長野ー池袋線を運行してきたので、東京では池袋周辺でよく見かける。
アルピコ交通と京王バスによる長野ー新宿線とは長年の競合関係にあったけれど、特にバスタ新宿ができてからは長電・西武陣営は劣勢となり、
2019年に西武が撤退、翌2020年に残った3社による連合が組まれ、長電が新宿行き、アルピコ・京王が池袋行きを売れるようになり便利だけども、京王の予約システムになったので事実上呑まれたといってもいい。
アルピコは旧称を松電バスといって、松本が拠点だけれども、松本は長野に較べたら市場が小さいこともあり、長野側にも結構進出してきている。
1983年に経営破綻した川中島自動車という長野市南部をテリトリーとするバス会社が翌1984年に松電傘下に入ったことが大きいよね。(このときに川中島バスに社名変更、2011年にアルピコ交通に吸収され消滅)
長野と松本の対立関係を反映して長電とアルピコ(松電)も長年の競合関係にあるけれど、一方で協調もしている。
この関係は今回の話にも大きく関連するので踏まえておきたい。
さて、長電バスは昨日とんでもない発表をした。
長野市内の路線バスを日曜日に全休にするというもの。
例外としてアルピコと共同運行する大豆島保科温泉線、アルピコと共同で長野市から受託している市街地循環バスぐるりん号はなくさない。
長野市東北部で東北ぐるりん号というコミュニティバスも長電が受託しているけれど、こちらはそもそも平日しか走らない。
確かに通勤・通学のない日曜日は利用が少ないんだろう。行楽はマイカーだもんね。
だからといっていきなり全休なんてことあるの❓
全国のバス会社の経営陣からすると拍手喝采なのかもしれない👏
でもさ。
バスドライヴァーが足りない。
廃止・運休・減便・運行区間短縮・路線再編。
棚から牡丹餅が落ちてきた関東自動車以外はみ〜んな苦しんでる。
けれど、他のバス会社はみんな困る人がひとりでも少なくなるように、ジェンガみたいに少しずつサーヴィスを減らしてなんとかやってるわけよ。
この前とある所に行くのにバス停から20分くらい歩いたんだけど、本来なら目の前にバス停があった。これは扇状に広がる市街地において両隣の路線を運休にして真ん中の路線だけ残した結果なのよね。
みんなそーやってやりくりしてるなかで、ちょっとこれはさぁ😅
できる削減をすべてやって、それでももうこれしか残されていなかったのか。
違うと思う。
全国のバス会社は高速バスを先に縮小させている。
人々の生活の足と比較すれば、プライオリティが下がるのは仕方ない話。
だけど、バス会社は高速バスの収益で路線バスを支えてきたんだから、赤字部門を残してドル箱を潰すなんて企業経営としては絶対にありえない。
バス会社の苦しみがおわかりいただけただろうか。
その点長電は高速バスをそこまで縮小させてるように見えない。
一昨年池袋線を減便したけれど、理由はむしろパンデミックだし、しかも逆にこれまで柳原(長野営業所)発着だったのを須坂駅前まで延長運転している。
人手不足よりも需要不足の方が大きかった頃の需要喚起なのかもしれないけれど、今になってもやめてないわけで。
日曜日に大半のドライヴァーを休ませる、というのならまだ納得できる。我々が休むんだからドライヴァーさんだって休むよな、って。
でも、現実は湯田中駅から志賀高原へのスキー客用のシャトルバスを大量に走らせるから、なんだよね。
現実は日曜日にドライヴァーフル稼働なのよ、これ。
観光は大切な産業だよ。
それで食べてる自分が言うんだから間違いない。否定する奴は本気でぶん殴るよ👊
でも、それでその地域の人々の生活を奪っていいの❓
世界でいえばバルセロナやヴェネツィア、日本では京都や鎌倉で問題になっているオーヴァーツーリズムというのは、まさに観光のために地域の人々の生活が犠牲になっているから問題。
ディズニーリゾートが浦安の人にとって怨嗟の対象にならないのは、混雑が浦安の人の生活に悪い影響をほとんど及ぼさないから。
この問題はオーヴァーツーリズムとは少し違うけど、地域の人々の生活を犠牲にするような観光はいらない、という根本は一緒。
長電が高速バスを無くさず、スキーシャトルには積極的で、逆に路線バスに冷淡なのは、その方が企業として儲かるから。
経営としては正しい。でもそれでいいのか。
結局さ、こーゆー問題提起をするといつもその先の結論が、行政と各事業者で話し合うべきだ、になっちゃうのね。
いい加減飽きたでしょ❓
でも本当にそれしかない。
長電くん、どーしてこんなになるまで相談してくれなかったの❓
誰目線❓❓❓
ここで、長野市の公共交通機関を整理したい。
北陸新幹線、っていうと長野の人キレるんだよな…
なんだっけ、長野行き新幹線だっけ❓
兎に角新幹線は両隣が上田と飯山なんで、とりあえず除外。
長電の電車は長野から須坂、小布施、中野を経由して湯田中まで延びている。
長野のダウンタウンでは複線の地下鉄になっていて、これが都市規模の割に過剰なのかどーかは判断に迷うところ。
JR信越線が市内を南北に貫いていたけれど、長野行き新幹線が北陸新幹線と呼ばれるようになったあの日から、長野以北がしなの鉄道北しなの線に変わった。
ただし、長野ー豊野間ではJR飯山線のディーゼル車が乗り入れてくる。
長野ー篠ノ井間は信越線というより篠ノ井線の一部というかたちでJR東日本が保有し続けていて、篠ノ井から軽井沢までの旧信越線は長野行き新幹線の開業を機にしなの鉄道の本線に代わった。
しなの鉄道はほぼ行政の出資だけど、地銀の八十二銀行が入っている。
長電の資本は入っていないけれど、長電の子会社である長電テクニカルサービスがしなの鉄道の車両をメンテナンスしており、行政による長電への事実上の支援といえる。
バス会社は主に長電とアルピコ(旧川中島バス)の2社。
重複区間もあるけれど、主に長電は市内の北部、アルピコは南部を担当しており、前述のように大豆島保科温泉線は両社で共同運行している。
川中島バス時代から長電とはある程度協調していて、バス路線の系統番号を付ける際は番号が重複しないようにしてユーザーにとってわかりやすくしていた。これは素直に評価したい。
長野市は両社を対等に扱っているようで、コミュニティバスを3路線走らせているけれど、このうちダウンタウンを走るぐるりん号は両社委託、北部は長電、南部はアルピコに委託している。
長電はかつて信州中野ー木島間と須坂ー屋代間にも電車を走らせていた。
前者は長野市に関係ないけれど、後者は大半が長野市内。
いまと違ってドライヴァー不足ではなかったので、当たり前のように代替バスになったけれど、そのうちの一部は千曲市のシンリク観光という貸切バス上がりの小さなバス会社に委託している。
シンリク観光便については今後も日曜日に走るのだろうし、沿線住民の要請を受けて増発するかもしれない。
ってなところ。
日曜日の長野市内がどーなるかといえば、長電の電車やぐるりん号、アルピコの路線が走るダウンタウンはそこまでの痛手でもなく、南部のアルピコゾーンもまあいい。
しかし北部は長電の電車はあっても、バスが死んでいて、駅から遠い住民は日曜日に酒を呑むことが許されない。
要するにグジャラート州やビハール州に住んでいるようなもの。
酒は自己責任かもだけど、交通弱者と呼ばれる車の運転ができない人は少なからずいるし、高齢化社会でますます増える。
というか長電エリアで運転免許証を自主返納した人の怒りは相当なものだろう。今日にでも警察署に免許返せと怒鳴り込んでいる可能性すらある。
この人達を自己責任なんて言えるわけないよね。
儲け優先で生活路線を切り捨てた長電の態度は許せるものではないけれど、そーしなきゃいけなかった事情も汲む必要はある。
本当はどこのバス会社だって長電のようにやりたいけど、渋々ドル箱をドブに捨ててるんだよ。
ライバルのアルピコもドライヴァーが余ってるわけじゃない。
もし、長野市・長電・アルピコで予め今の問題を話し合う方ができていたら、
両社の路線を平等に減らしたり、近接している路線のどちらかを残したりしながら、
不便にはなっても移動自体ができない状況は回避できたはず。
2020年に独占禁止法の適用除外として路線バスにおける協調がしやすくなっている。
3者で上手く話し合ってもーちょいなんとかできなかったのか。
少し前にサウナのTVで紙芝居見せながら「擦り合わせできたはず〜」ってコントやってるコメディアンを見たんだけど、まさにそれだよ。
最悪なのはアルピコも長電に倣って「うちも苦しい」と言いながら追随すること。
長野市はそれをさせないために徹底的に動かなきゃいけない。
長電もアルピコも限界なのは間違いないので、傷の舐め合いだけでは足りない。傷の治療も必要になる。
長野駅から放射状にバスが別れていく体制にメスを入れなきゃいけない。
長電、北しなの線、信越線という3方向に分かれる鉄道路線のほか、いくつかのバス路線の基幹バス化を軸にして、地域のバスに乗り換えていく交通体系へのシフトが必要。
狭い地域であれば、自動運転バスの芽も出てくる。
ただし、日本のほとんどで所詮「実証運行」しかしておらず、本気なのは茨城県境町など一部しかない。
自動運転バスは20km/hでノロノロ走るのが現在の限界であり、幹線道路には入れないし、地域住民の意識が高まるのに3年はかかる。
また、長野は雪国であり、その対策も考えなければいけない。
今から3〜5年間、冬の志賀高原や夏の上高地の観光収入をある程度犠牲にしてでも、この問題に本気で向き合うという覚悟を持てば、
長野市をはじめとした信州において鉄道➕基幹バス➕自動運転バスという交通体系を築ける可能性はある。
ここまでいくと県やほかの市町村の巻き込みも必要になるけど、まずは長野市・長電・アルピコの3者でできることから話し合ってほしい。
理想は地域の足をAIに任せ、希少なバスドライヴァーは高速や観光など儲かる路線に集中投入することで、生活保障と稼ぎを両立すること。
感じている課題と描く理想像は3者とも同じはず。
であるならば、同じ夢を一緒に描く関係性になろうよ、って話。
長電の今回の決断が劇薬になってくれることを期待する。
それじゃあバイバイなまらステ❤️厚沢部煮切でしたっ✨
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