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ツツ元大主教逝去に寄せて〜現代インド🇮🇳と南アフリカ共和国🇿🇦〜 前篇 ツツの生涯と功績

はじめに

音声トラブルを乗り越えて(苦笑)、昨夜は無事Clubhouse『 #インドの衝撃 ( #インド大学 )』で #ツツ 元大主教の話をすることができたよ〜💫💫

早速podcast化もしているので(約28分)是非聴いてみてね🎶

七福神の話同様、note版もこれから書いていこうと思う。

以後、Clubhouseで喋った後はそれをnoteで記事化するという流れにしていく予定。

昨日まで前哨戦で #南アフリカ共和国 🇿🇦のネタを引っ張ってきたので、そちらもよろしければ。

ではでは早速ツツのことを書いていこうと思う。

平和の都にて

デズモンド=ツツ氏はひとことで言うと、南アフリカ共和国で #アパルトヘイト と闘った黒人の #キリスト教 聖職者かつ社会活動家で、 #ノーベル平和賞 を受賞した人。

その人が昨年12月26日に亡くなったということで、

それを記念してClubhouseで話をさせていただいた。一見インド🇮🇳とあんまり関係ない気がするんだけど、実は大アリ🐜

ただ、前篇ではそこには触れないのでインドとの関係が気になる方は明日公開の後篇を読んでほしい。

ここで自分の話になるんだけど、2006年に #広島国際平和会議 というのが開かれて、ここにツツをはじめ3人のノーベル平和賞受賞者が集結したシンポジウムを観に行った。

ツツとチベット亡命政府の #ダライラマ14世 、北アイルランド🇬🇧の #ベティウィリアムズ が出てたんだけど、正直内容はそんなに覚えてなくて、ただツツがめちゃ明るいキャラ、今風にいうと #陽キャ だったことは覚えてる。

内容知りたい方はどうぞ。

昨夜の収録で『インドの衝撃』主宰の広瀬さんも来ていたと聞いて奇遇さを感じた😵💥

そしてこれが最初で最後の生ツツと生ウィリアムズということになった。

ってことはこの日の夜に広島で呑んだ友人🍻とも15年間会ってないことになる。昨夜のことのような気がしてたんだけどなあ。

聖職者になるまで

1931年10月7日南アフリカ最大の都市ヨハネスブルグから西南西170kmのクラークスドープにコーサ人の父とモツワナ人の母の間に生まれた。

生まれた時からポリオに感染して右手を萎縮していたが、高校時代からラグビー(ユニオン)🏉を始めているので生活に支障があるほどではないようだ。張本勲みたいにボールがキャッチできないというわけではない。

日本にはほぼラグビー=ユニオンしか入ってないので、日本人はラグビーというとユニオンのことしか浮かばない。しかし特に英語圏ではラグビー=ユニオンとラグビー=リーグは厳然と分かれている。ユニオンは15人制だけどリーグは13人制。リーグにはラックやモールがなかったりとか色々違いがあるけど、ひとまずリーグを知らずにラグビーについてあれこれ言うのはラグビー🏉とアメフト🏈を混同して話すのと同じくらい失礼なことというのをわかってほしい。本題ではないけれど。

ツツの父が教師をしていたため職場に応じて住まいを転々とし、家庭は裕福ではなかったがツツはそれなりの教育を受けることもできた。クリスチャンの家庭であり、ツツもキリスト教の信仰を持った。

ツツは医者を志したが両親が大学の学費を払うことができず、教職を経て英語と歴史の教師になり結婚もするが、1953年に成立したバントゥー教育法(黒人に被支配者としての観念を植え付ける教育を行うというアパルトヘイト法のひとつ)に反発して教員を辞め、 #聖公会 ( #英国国教会 、日本では立教大学、聖路加病院、プール学院などを運営)の聖職者となる。国内の神学校に学んだのち英国に留学、アパルトヘイトのない自由な空気を吸うことになる。

アパルトヘイトというのは #アフリカーンス語 (オランダ語🇳🇱から派生した南アフリカ共和国の公用語)で「分離」を指し、白人と非白人を隔離する数々の政策を指す。英語でいう分離を示すapartnessは一般名詞だけど、apartheidを英語読みでアパータイドという時は南アフリカ共和国のアパルトヘイトを指す固有名詞だ。

1948年にアパルトヘイトが法制化され、1991年に法制廃止、1994年の全人種参加選挙をもって終わりを迎えた。

経済パートナーの日本人🇯🇵、世界から疎外された国同士で親交のあった台湾人🇹🇼、当時英領だった香港人🇭🇰が名誉白人扱いされたことでも有名。インド人はカラード(白人と黒人の混血)と並び白人と黒人の間の中間層扱いだった。

アパルトヘイトとの闘い

1966年にイェルサレム🇮🇱経由で南アフリカ共和国に帰国する。イェルサレムではユダヤ人とアラブ人の衝突に衝撃を受ける。

帰国後は黒人として初めてのセント=メアリー大聖堂首席司祭、レソト🇱🇸主教、ヨハネスブルグ主教といった南アフリカ共和国聖公会の幹部を歴任し1986年には最高位となるケープタウン大主教の座に就く。その一方で南アフリカ教会協議会総書記、全アフリカ教会会議総幹事を歴任しアパルトヘイト抵抗運動を非暴力主義にて主導する。アパルトヘイトへの国際的な非難が強まる中、1984年にはノーベル平和賞を受賞した。欧米がアパルトヘイトに反発を強めていくなかで英雄として脚光を浴びていく感じだね。

ホントは20年以上に及ぶアパルトヘイトとツツの闘いは無数にエピソードがあるけど、ここでは割愛する。細かい話は日本語でもいくらでも知ることができる。

1989年、フレデリック= #デクラーク 大統領が就任するとアパルトヘイト政策を改め黒人との融和を図る方針に転換し、翌1990年には #アフリカ民族会議 などの政治団体の非合法化を解除、27年間投獄されていた反アパルトヘイトの象徴的人物であるネルソン= #マンデラ を釈放、91年にアパルトヘイト法がすべて廃止され、93年にマンデラとデ=クラークがノーベル平和賞を受賞、94年には全人種参加の総選挙でマンデラ率いるアフリカ民族会議が勝利して大統領に就任、デ=クラークは国民党党首として連立政権に加わり第二副大統領に就任した。

ツツはマンデラの釈放を歓迎すると共に、アフリカ民族会議と対立していたインカタ自由党に融和を呼びかけるなど不偏不党の立場からアパルトヘイトの解体とその後の国づくりに邁進した。黒人同士でバトってたし、白人支配が固定化するよう黒人同士がバトるように仕向けてたという。

ツツはマンデラの差別撤廃の想いに共感したけど、マンデラの属するアフリカ民族会議に全面的には加担せず、そこと敵対する勢力にも対話を呼びかけた。また、デ=クラーク大統領との交渉も重ねた。

また、ツツは諸宗教の融和を訴えマンデラの大統領就任式では諸宗教による合同の祈りが行われた。

ツツは1996年に大主教の座を降りて名誉大主教になるとともに、マンデラ政権の下で開かれた #真実和解委員会 の議長となった。

真実和解委員会はアパルトヘイト下で行われた政治的抑圧や人権侵害の真相を明らかにし、被害者の復権と民族和解を目的とした。加害者や白人の断罪ではなく対話、和解、赦しが原則とされ、 #ウブントゥ の精神が説かれた。

ウブントゥ自体がツツが世界に広めた言葉だけど、アフリカ南部の言葉で思いやり、共感というような意味であり、ツツは「人は他の人を通して人である」と説いた。西洋流の個人主義とはまったく異なる概念であり、ツツの思想の根幹でもある。ツツはウブントゥをもってキリスト教を理解しようとした。

想いの炎は死ぬまで消えず

アパルトヘイト終結後のツツは同性愛者の擁護で知られるようになるほか、パレスチナ問題、エイズ問題、反戦平和、貧困問題、環境問題など様々な問題について発言し、行動するようになった。

2007年にマンデラが英国の慈善活動家リチャード=ブランソン、ミュージシャンのピーター=ガブリエルと立ち上げた世界の長老会議であるジ=エルダースの議長を6年間務め、児童結婚を終わらせるイニシアティヴなどに関与した。

タイムリーな話題としてはダライ=ラマと大の仲良しだということもありチベット問題を理由に08年の北京五輪開催🇨🇳に反対しており、それが繰り返される直前となる昨年のクリスマスの翌日、ケープタウンにて90歳で世を去った。

2010年以降は隠居生活を送っていたけれど世界の様々な問題を巡って声を上げ続けた。確かに何かにつけては「ツツ氏のコメント」とか載ってた気がする。

ツツはめちゃくちゃエネルギッシュな人。大学生の頃はなんちゃら会議みたいなインカレ組織をめちゃやってたし、教師の頃も教会の日曜学校や地域のラグビーチームのヴォランティアをバリバリやってた。「アフリカのさんま」って言ってもいいくらい超絶陽キャだからね。フットボール好きというところも「アフリカのさんま」かな。

兎にも角にも南アフリカ共和国の人種差別と闘い、それを打ち破った偉人。ということだけひとまず覚えてほしい。

現職のケープタウン大主教タボ=マクコバ氏の追悼コメントが心に響くので紹介する。

「彼は人間を卑下する制度に挑みました。彼はまた、聖書が『わたしの兄弟(姉妹)であるこの最も小さい者』と呼ぶ人々に苦しみを与える人たち、特に権力者たちに対して、正しい怒りを解き放つことができたのです。そして、悪の加害者が真の心の変化を経験したとき、彼は主の模範に従い、喜んで赦したのです。彼の遺産は道徳的な強さと勇気、そして明晰さです。彼は民衆と共にありました。人の前で、そして一人で、彼は人々の痛みを感じて泣いたのです。そして、彼は笑ったのです。いや、単に笑ったのではなく、民衆の喜びを分かち合い、声を上げて喜び笑ったのです」

おわりに

明日はツツについてやや違った視点から見て、あのインド人との関係にスポットを当てるよ❣️

続きが早く知りたい方はポッドキャスト版をどーぞ。

24日はエアアジア🛩についてClubhouseで話します。こちらもどーぞ‼️





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