見出し画像

ベルーナドームのコンサートは劇薬である

こんばんなまらステ💙Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

毎年、西武新宿線の改善要望ばかり注目される西武HDの株主総会だけど、今年は歴史的低迷の埼玉西武ライオンズに関する質問が続く。

そんななか、関係あるようなないような話で、ベルーナドーム(西武ドーム)でコンサートをやると電車がとんでもなく混雑するという指摘があった。

これは確かにそーだし、カイゼンが必要なトピックなので、取り上げてみる。

大前提としてベルーナドームは野球をするところであり、そのために設計されている。

収容定員は3万人強で、現在は31,552人。

最大でこの数だけ集まった人達を円滑に退場させることが大切。

これに対して駐車場は750台しかなく、一般的に自家用車1台の乗車人数は1.3人換算なので975人。

現実にはベルーナドーム周辺には民間の駐車場もあるし家族などの送迎もあるので、全体の1割である3,200人程度の車利用はあると思われる。

立川駅から玉川上水駅、上北台駅を経由するシャトルバスも走っているけれど、全部で数百名の規模でしかない。0.5割としておこう。

徒歩や自転車もそんなものだろうとすると、およそ8割、2.5万人程度が鉄道を使うと考えられる。

鉄道の最寄り駅はベルーナドームの目の前にある西武球場前駅以外は存在せず、ここには狭山線と山口線が乗り入れる。

狭山線も山口線もあんまりメジャーな名称ではなく、電車とレオライナーといった方がわかりやすい。

レオライナーは1ユニット302人が定員で、最少10分間隔なので1時間あたりの輸送力は1,812人。この倍程度詰め込んだところで、結局は電車に2万人以上が集中することになる。

電車は10両編成で1時間に8本とするとおよそ1.2万人の輸送力となる。

西武狭山線は単線で、途中唯一の駅で行き違いもできる下山口まで西所沢からも西武球場前からも所要時間3分なので、往復6分に余裕を入れて7.5分間隔=1時間に8本ということになっている。

野球の試合は基本的に帰りの流れが分散されやすい。

試合展開にもよるけど、負けそうなチームのファン、負けてるチームを最後まで応援するファン、勝ったチームを応援してヒーローインタヴューまで見ていくファン、そのあと更に応援団による祝勝会に参加していくファンといったかたち。

北海道日本ハムファイターズの本拠地エスコンフィールド北海道では試合と関係なくフードホールで呑んでいく人がいるけど、ベルーナドームにそれはない。

それでもこんな感じでかなり分散するうえに、西武球場駅の駅員さんの誘導オペレーション、それに試合展開に合わせたダイヤの組み方も素晴らしく、混んだとしてもそこまででもない。

また、特に埼玉西武ライオンズのファンは西武沿線が多いので、西所沢で結構な割合の人が飯能方面に向かい、所沢では降車➕新宿線に流れるため、所沢からはかなり空く。相手が千葉ロッテマリーンズだと武蔵野線で千葉から来る人が多いので、その次の秋津まで混むけど。

だけどこれがコンサートになると全然違う状況が起きる。

まずグラウンドにもアリーナ席を置くので、ステージなりトロッコをやるか否かなど通路なりの大きさにもよるけれど、最大で4万人入る。

また野球は完売御礼になる日がそこまで多くはないけれど、コンサートはほぼ完売御礼。

それどころかベルーナドームは音がダダ漏れだから、それを聴きに来てる人がめちゃいるのよ。

そしてコンサートは基本的にファンにホームとアウェイ(ヴィジター)はない。時間の都合で早く帰る人がいないわけじゃないけど、基本的に終演までみんな観ていく。

だから3万人以上が一度に西武球場前駅に詰めかけるわけよ。

定員の3倍乗車になる時間もあるんじゃないかと思う。

そもそも電車に乗り切れないので、駅にも人が入りきらず駅前も人がわんさかいて地獄絵図。

もちろん規制退場というかたちでブロック毎にずらして退場させることはやってるけれど、それでも集中はするよねー。

これで二度とベルーナドームにコンサートでなんか来たくない、と思う人も多いはず。

そしてこれは埼玉西武ライオンズ的にも結構ヤバい話。

どーしてかというと、このチームはパンデミック前は年間160万人以上をしゅうきゃくしていたのに、昨年は142万人しか集めていない。

これはパリーグのなかでは東北楽天ゴールデンイーグルスと並んで深刻で、他のチームはパンデミック前と同様もしくは上回る集客実績を誇っている。

理由としては昨年5位と低迷したことに加えて、空前の猛暑で所謂サウナドームに人が集まらなくなってしまったため。

今季チームが歴史的に弱いのは複合的ではあるけれど、集客が回復しておらずキャッシュが回っていないことも大きな理由。しかも2017年から2021年にかけて大規模な改修をしたわけで、その投資を回収できてないのね。

しかしながら大宮球場や東京ドームで行なう試合は集客が良く、また真夏にアーティストがベルーナドームでコンサートをしても暑いから行きたくないという人はあんまりいない。むしろ前述のようにチケットが買えず音漏れを楽しみに来ている人も出るくらい。

昔は渡辺美里くらいしかここでコンサートをしているイメージなかったけど、近年はアニメ・ゲーム系が使い始めて、今ではバンドやアイドル、K-POPなどがガンガン使っている。

ということは、埼玉西武ライオンズとしては夏の間、できる限り大宮球場や東京ドームを使い、その分アーティストに貸し出せば効率的な経営ができる。

もちろん大宮球場は高校野球の埼玉県大会があるし、東京ドームはフル稼働ではあるけれども、以前は旧本拠地ということで年間8試合やっていた北海道日本ハムファイターズがエスコンフィールド北海道に興行を集中させた結果としてその枠が空いていてぶち込みやすい。

そうでなくても、かつての阪神タイガースのように7・8月はロードゲーム中心にすることも考えられるだろう。

兎にも角にも、夏場にコンサートをもっとかき集めてくることはライオンズを救う手段でもあるはず。

それに対して帰りの殺人的混雑は悪評に繋がり、アーティストが寄り付かなくなるかもしれない。

早急になんとかしないといけない問題。

端的に電車の輸送力を上げなければいけない。

単線なのにそんなことできるのかと言われればやってやれなくはない。

西武球場前駅には6本の電車を待たせておけるので、最初の電車が出た後、2.5分後に続行便を出す方法がある。

で、西武球場前駅から2本電車が出たその次は7.5分待つ間に下山口で行き違いした電車を1本受け入れ、最初の電車から10分後より再び2.5分間隔で2本の電車を出し、再び7.5分待つ間に1本電車を受け入れる。

最初の電車から40分後の段階からは通常オペレーションの7.5分間隔にせざるをえない。なぜなら西武球場前駅で1本電車が待機していないと折り返し時間が足りず、7.5分間隔が実現しないから。

西武球場前駅を出る最初の電車をm分とした場合、こんな感じ。西武球場前駅での待機本数も示す。

m分 西所沢方面への電車出発 6本→5本
m+2.5分 西所沢方面への電車出発 5本→4本
m+6.25分頃 西武球場前行きの電車到着 4本→5本
m+10分 西所沢方面への電車出発 5本→4本
m+12.5分 西所沢方面への電車出発 4本→3本
m+16.25分頃 西武球場前行きの電車到着 3本→4本
m+20分 西所沢方面への電車出発 4本→3本
m+22.5分 西所沢方面への電車出発 3本→2本
m+26.25分頃 西武球場前行きの電車到着 2本→3本
m+30分 西所沢方面への電車出発 3本→2本
m+32.5分 西所沢方面への電車出発 2本→1本
m+36.25分頃 西武球場前行きの電車到着 1本→2本
m+40分 西所沢方面への電車出発 2本→1本
m+43.75分頃 西武球場前行きの電車到着 1本→2本
m+47.5分 西所沢方面への電車出発 2本→1本
m+51.25分頃 西武球場前行きの電車到着 1本→2本
m+55分 西所沢方面への電車出発 2本→1本
以下7.5分パターン繰り返し

こーすると1時間当たりの運転本数を5本、輸送力は7,500人分増やせる。

1時間に3万人詰めかけてくるとして、輸送力12,000人なら平均250%、16,500人なら182%になり、しかも最初の頃の混雑する時間帯に続行便が出るのでかなり効果的。

土日祝日なら平日ラッシュアワーにのみ稼働する車両を西武球場前に集結させられるから現実的な手段だと思うし、平日でも21時頃ならラッシュアワーの車両を西武球場前に回せるので結構現実的じゃないかと思う。あるいは15時くらいに終える昼公演とかね。

逆にいうと平日の17~20時頃に終演するようなものは組ませないというようにしたらいい。

また、全員が池袋方面に行くわけじゃなく、新宿線や武蔵野線にかなり流れるので、清瀬などで折り返して再び西武球場前に送り込むようなオペレーションが必要。

野球観客輸送では評価の高い西武だけに、さらにレヴェルアップしたコンサート観客輸送のオペレーションを確立して、ベルーナドームの稼ぐ力を引き上げ、埼玉西武ライオンズへの投資に繋げられたらいいんじゃないのかな。

プリンスホテルの行き詰まりなども含めて、西武ホールディングスとして正念場にあるといえる現状だけども、ホテルも鉄道も野球も今あるリソースを見つめ直すことが一番のソリューションであるはず。

それじゃあバイバイなまらステ💙厚沢部煮切でしたっ✨









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?