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言葉と語感とラーメンズ#9 第9回公演『鯨』前半

『鯨』全8作品中、前半4作品のお話。

1.ことわざ仙人

馬の耳の現物

小学生の頃、「壁に耳あり障子に目あり」の「目あり」を「メアリー」だと思っていました。
正しいことわざ(言葉)とその意味を知っているからこそ、その間違いが分かる。
言葉が持つ「本来の意味」を理解していれば、世の中の事が理解でき、間違い・勘違いさえも楽しむことができる。
言葉を間違えることで、笑いが生まれることもある。
使いようによっては笑いを意図的に生み出すこともできる。
勘ちがいや言い間違い、聞き間違いは、新たな言葉を生み出す可能性もあります。
この場合の間違いは、あながち正解ではないけれど間違いでもないのかもしれません。


2.超能力

みたいななぁ!

この言葉だけで、それまでの事実(かのような話)を、スパッと例え話に切り替える。
例え・比喩を表す言葉として、「○○みたいだ」のほかに「○○のようだ」があります。
「ようだ」は文章や会話のどちらでも使用される言葉。
「みたいだ」は「見たようだ」が変化した言葉。
「ようだ」に比べて口語的でくだけた表現なので、主に会話で用いられます。
「三田で御田さんを見たみたい。」みたいな。
最終的に、この2人に超能力はあるのか、ないのか?
ソワソワするオチ。


3.バースデー

野球用品で高価なもの…。
貴金属、バット。ミンクの、ミット。高級な、軟球。

高級な軟球を投げ、貴金属バットで打ち返し、ミンクのミットで捕球。
なんと贅沢な野球でしょう。
ダイヤモンドのベースも入れてみたら、総額いくらになることやら。
序盤に出てくるさらっとした一言が、忘れた頃に回収されるのも見どころです。


4.壺バカ

スポーツの和名表記。
「鎧球(がいきゅう)」はアメリカンフットボール。
「闘球(とうきゅう)」はラグビーです。
似て非なる2つの球技。
ルールはともかく、漢字にするとイメージが湧きやすいですね。
この2人のやっていることが球技ならば、和名は「壺球(こきゅう)」ですかね。
どこかの国(南国、タヒチあたり)で実際にありそうな、壺を使った戯れ。
作品中で言葉のやり取りはありませんが、2人とも楽しそう。
音無しでも、マイムだけでボール?が飛び交っている様子が伝わります。
ちょっとやってみたい。


後半へつづく。


ではまた。

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