言葉と語感とラーメンズ#26 第17回公演『TOWER』後半
『TOWER』全7作品中、後半4作品のお話。
4.ハイウエスト
例えば、脚の短いわたしがハイウエストを履こうとすること。
それはハイリスクと言うより、無謀と言うやつか。
股上の深さを表す「ハイウエスト」と「ローウエスト」。
ハイウエストは脚長効果があり、ローウエストはヒップラインを美しく見せてくれます。
で、作品中のハイウエストはというと、、、。
もはやハイウエストを越えた、別の新たなファッションにすら思えてきます。
シュールなのにどことなく愛嬌を感じる作品。
5.やめさせないと
ネットで検索してみると、割と同じ思いをしている人もいるようですね。
この作品を観て以来、スターバックスでは基本キャラメルマキアートのショートを頼んでいます。
世の中には自意識過剰で悩み、生きづらい人もいると思います。
大丈夫。周りはあなたが思うほどあなたのことを見ていません。
スタバに入りたければ入ればいいし、飲みたいものを飲めばいい。
あなたはお腹を満たして幸せになれるし、スタバは売上が上がる。
win-winじゃありませんか。
自意識過剰という言葉に、他人の目に、囚われない。
最終的にはなんだかほっこりする作品。
6.五重塔
最近仏教に興味があるせいか、「欲」という言葉に引っ掛かりました。
人間の三大欲求と言えば、食欲、性欲、睡眠欲。
仏教用語には「五欲」という言葉もあります。
人間の心を惑わすもの、それが欲。
欲には際限がありません。
大切なのは、己の欲をコントロールすること。
うまく付き合うことで、モチベーションを高めたり能力を最大限に発揮する力にもなります。
知足。足るを知る。
これくらいでいい、と思えること。
…でもやっぱり、お金はあったほうがいいし、欲しいかな。
カメヒコの本心は人間的だと思います。
7.タワーズ 2
公演最初の「タワーズ 1」から続いている作品。
言葉が無くても伝わる面白さ。
南大門の再現度の高さが秀逸。
この公演の総まとめともいえる内容で、これまでの登場人物(ヒト、モノ)も現れます。
最後の締め方が可愛くて、そして美しい。
●全体を通して
言葉の使い方やパントマイムなど、これまでの全ラーメンズ公演要素を凝縮濃縮。
小林賢太郎さんと片桐仁さんの二人だからこそ作り出せる、唯一無二の作品集でした。
ラーメンズの笑いは「大爆笑」というよりも、「クスっ」と笑えるものが多い。
「タワーズ2」のように、光のある場所へ、一歩一歩登っていく。
一つ一つの、小さな笑いの積み重ね。
コツコツ努力をすることの大切さも教えられたような、そんな公演でした。
●「言葉と語感とラーメンズ」、一区切り。
さて、昨年の11月頃から続けてきた「言葉と語感とラーメンズ」シリーズ。ラーメンズ公式Youtubeに載っているものは一通り取り上げたので、ここらで一区切り。
好きなものについて書いている時はやはり楽しいですね。
これまでラーメンズ作品の言葉の面白さや、改めて作品を見直してその時に惹かれた言葉に関して書いてきました。
しばしば言葉も語感も関係無い、いちファンの感想になることもありましたがそこは悪しからず。
言葉に注目してみると、そこからさらに広がる世界がある。
後日改めて全体を振り返ろうと思います。
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