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言葉と語感とラーメンズ#24 第16回公演『TEXT』後半
『TEXT』全6作品中、後半2作品のお話。
5.スーパージョッキー
片桐「ものの本によると、ものの本とは、モノホンのものの本のことである。モノホンのものの本とは、台本のことである。」
モノホンとは、「本物」、すなわち「ホンモノ」の倒語である。
倒語とは、通常使う言葉をひっくり返した表現である。
例えば、「ワイハー」「シースー」「ザギン」「ギロッポン」。
芸能界の業界用語でよく使用されている。
倒語は現代ならではの言葉ではなく、実は既に江戸時代に逆さ言葉(=倒語)として流行していました。
例えば「だらしない」は、もともと「自堕落」から派生した「しだらない」という言葉です。
「し」と「だら」を倒置した「だらしない」が現代に残りました。
そんなことがどうでもよくなるくらい、仁さんショータイムの作品。
6.銀河鉄道の夜のような夜
小林「浦島太郎」
片桐「うなぎ屋」
小林「焼き鳥屋」
片桐「野心家」
小林「空手家」
片桐「からすうり」
題名から分かるように、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」をモチーフにした(ような)作品。
言葉遊び、構成、物語、少しの切なさが美しい。
様々な人がこの作品の考察をしていますが、かくまるさんのnoteが面白いです。
数多の言葉の銀河を駆ける夜汽車は、私たちをどこに連れて行ってくれるのでしょうか。
●全体を通して
ラーメンズ公演の中で、個人的に最も好きで、言葉にハマるきっかけとなった公演。
「おもしろい」とは、ただ笑えるというだけではない。
言葉を巧みに使って、解釈を広げたり、通常とは異なる意味で捉えたり。
新しい見方や発見が出来る、というのも「おもしろい」の一つです。
言葉を正しく知っていると、正しい指摘が出来る。
ただし、その指摘の仕方をあやまると、相手を傷つけることもある。
間違いさえ包み込んで、ユーモアに変える。
刺激の強い言葉や、分かりづらい言葉を使わず、
誰も傷つけずに、誰もが分かる言葉で笑いを生み出す。
わたしの人生のバイブル、そしてTEXTです。
次回は第17回公演『TOWER』です。
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