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言葉と語感とラーメンズ#13 第11回公演『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』前半

桜前線。あたたかな春の風と穏やかなワクワク感。

『CHERRY BLOSSOM FRONT 345』全7作品中、前半4作品のお話。

1.本人不在

小林「こっちもプロなら、むこうもプロだ。」
片桐「踏み倒しの?」
小林「プロ。」

プロ(プロフェッショナル)とは、専門家や職業としてそれを行う人のこと。
世の中には様々なプロがいますが、「踏み倒し+プロ」とはまた面白い言葉の組み合わせです。
わたしの身近では「客プロ」なんて言葉も出てきて、妙に納得しました。
「客プロ」…本来サービスを受けるお客でありながら、その会社や組織のことを良く知っており、立場をわきまえつつも的確なご意見を下さる人のこと。
あなたは、なんのプロですか?


2.エアメールの嘘

「きょうめよー!!興味を持てよ!興めよ!」

興味を持つ⇒興(きょう)む。
世の中的には存在しない動詞(?)ですが、語感も好きな言葉です。
わたしは、言葉に興(きょう)っています。
ちなみに名前のkyOmuは、虚無の意と、実はこの作品の「興む」の意もあります。


3.レストランそれぞれ

片桐「カルボナーラとゴルゴンゾーラの区別がまだつかない」
小林「ゴルゴンゾーラはスパゲティじゃないよ」
片桐「何だっけ」
小林「チーズ」
片桐「ポンパドールは?」
小林「パン屋」
片桐「コンサドーレ」
小林「札幌」
片桐「ああー、野球か」
小林「サッカーだよ!」

カルボナーラ、ゴルゴンゾーラ、ポンパドール、コンサドーレ。
改めて文字にして見ていると、だんだんどれも同じようなものの感じがしてきて、片桐さんの気持ちがちょっとわかります。
何かの、、、呪文のようにすら見えてきます。
それぞれの言葉の語感も、一連の会話のリズムも良い。
ランドマーク、セントフォース、ナロンエース、メインブース。
最後に「〇ー〇」の長音があると、なんか言いたくなる。不思議です。
2人で何役担当?という慌しい登場人物の入れ替わりも見どころ。


4.怪傑ギリジン

 ギリギリギリギリジンジン ギリギリギリジンジンジン

ファンの中でも人気がある作品、「ギリジン」シリーズ。
改めて見ていたら、近年のお笑いのリズムネタ、歌ネタの先駆けなのではないか?とも思えてきました。
限界が近づいている状況を表す「ギリギリ」、傷が絶え間なく痛む・しびれを感じる「ジンジン」。
その意味で考えるとなかなかシビアな状態ですが、濁音の語感、響きがいい。
「じんじん」を調べると、「仁人」という言葉も出てきます。
「仁人」…思いやりの心を備えた人。
片桐さんの名前は「仁」。そんな含みもあったりなかったり?
戯曲集には楽譜も載っています。



後半へ続く。


ではまた。

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