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言葉と語感とラーメンズ#19 第14回公演『STUDY』前半

一緒に勉強しましょう。

『STUDY』全7作品中、前半4作品のお話。

1.study

わたしの国に、こんな言葉があります。

日本に限らず、海外にもたくさんの格言、ことわざがあります。
たとえば「逃げるは恥だが役に立つ」は、ハンガリーのことわざです。
ドラマのタイトルでも有名になりましたね。
「逃げる」ことは恥だと思われますが、それが最善の策ということもあります。
大切なのは、逃げたその先で自分が輝ける場所を探すこと。
人によっては、「逃げ」を選ぶということにも、勇気が必要でしょう。
生き延びるためならば、その選択をした自分を責めないで下さい。
ただし、万引きは犯罪です。
逃げてはいけません。


2.ホコサキ

ハサミは、切るための道具であると。
ではどっちかというと、ピンセットのほうが「はさみ」なんじゃないのか?

「挟む」という用途が物体の名を表すならば、「ピンセット」の方が「はさみ」という名にふさわしい。
「名は体を表す」ならぬ、「用途が名を表す」。
そんな考え方も面白いですね。
ちなみにピンセットは「セット」とついていますが、単品です。
言葉の元をたどると、その語源はオランダ語のpincet。
そのため英語の「セット」とは関係ありません。
ピンセット2本入りのピンセットセット。
今ならこのピンとセットでお買い得。
ピンセットセット、ピンセット。


3.QA

小林「『見』の活用。未然連用終止連体仮定命令」
片桐「見。見。見る。見る。見れ。見ろ」
小林「命令」
片桐「見ろ」
小林「何を?」
片桐「俺を」
小林「『俺を』を訳しなさい」
片桐「チョコクッキー」

質問と回答の「対話」でつくられた作品。
言葉を分解したり、訳したりすることで次々と言葉が派生していく。
学生時代に習った、言葉の活用形。懐かしいですね。
そして、それをそう訳すのかと。
導入部分の『「はい」か「いいえ」で答えなさい』も、同音異義語の数だけ質問と答えが作り出せる。
ちょっと反則?もありますが、それも言葉遊びのオモシロさ。
最後の「答えられない問題」は、わりと有名ですね。


4.科学の子

“そこのあなた、そのシャツ短いのでは?”
“私は気により人生を駆け抜けるスピードが速いんだよ”
“ローレンツ収縮じゃないんだから”

サイエンスジョーク。
ローレンツ収縮とは、等速運動している物体の長さが、静止しているときの長さに比べて、運動方向に収縮して観測される現象のこと。(weblio辞書より)
わたしは科学には詳しくないため、会場の子どもたちと同じ反応です。
ラーメンズの作品は、「その言葉を知っているとより面白い」という場面がしばしばあります。
分かる人には分かる、という面白さ。
その面白さを自分も味わいたくて、後でその言葉を調べてみる。
色んな言葉を知っていると、それだけ幅広いジャンルの人と話すこともできます。
言葉を知ることで、繋がる事の出来る世界を広げる。
うん、もっと、言葉を知ろう。



後半へ続く。

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