MISSING 愛を巡る旅
私は河川敷を散歩するのが好きだ。特に夜遅い時間に見る川は昼間見るのとは全く違った顔をしていて面白い。真っ昼間の陽の光をたくさん浴びてのんびりとした顔とは対照的に、月の光をも吸収していきそうな冷たい顔をしている。よく私が散歩する川の近くには、団地がある。駅からはそれなりに離れたエリアなので、おそらく電車をあまり使わない高齢者が多く住んでいると思われる。夜に散歩をすると部屋の明かりは大半が消えているのだが、所々明かりが灯っていて、河川敷から団地を眺めていると、人間が住んでいるのだ