見出し画像

ハムスターは懐かない、クワガタは生きている

私は犬が好きではない。

誤解が無いように言っておくが、犬が好きな人のことも犬という生き物も否定するつもりはない。

まぁ、散歩で犬を連れている人とすれ違う時、堂々と近くを歩いてくる人にちょっとなぁとは思う。
すれ違いざまに犬が寄ってきた時の「あなたも犬好きなんでしょ?」と言わんばかりの笑顔の人には不快感を抱く。


誰もが犬を好きだと思うな、と。


でも、犬を家族だと思うことは素敵なことだと思う。


なぜ好きじゃないのかとなると、もう犬に限らず全ての生き物に対する思いになってしまうのだけど、見た目も言葉も違う生き物同士で分かり合えるわけないだろうと思っているからだ。



今、ちょっとムッとした人。

あなたはすれ違いざまに笑顔を見せる予備軍です。お気をつけください。




分かり合えるはずがないのに、家族となって絆を深めているような様子をみると私には出来ないと思うし、かといってそうなりたいと思うわけでもないので、詰まるところ犬が好きじゃないのだろうと行き着いた。




我が家には子どもが欲しがったハムスターと夏の初めに捕まえたクワガタがいる。


どちらも私に懐いていない。


クワガタは言わずもがなの存在だが、ハムスターはしっかり世話をして丁寧に接すれば懐くものだと、子どもがハムスターを欲しがった時に一緒に読んだ本にも書いてあったし、たくさん調べたYouTubeでも言っていた。

飼育本や飼育動画の通りに、飼い始めのしばらくはそっとしておいて少しずつ手に慣れるようにやってみたけど早々に噛まれたし、その後も手に乗ればまず噛んでくるのだから、私はうちのハムスターが怖い。

もちろん見ている分には怖くないけど、触ると痛い思いをするかもしれないから怖い。だから、もう触ろうとは思わない。

欲しがっていた子ども達も同じように噛まれ、威嚇されて心が折れ、私と同じようにサワルノコワイコワイ症候群に陥った。
それでも日々の世話はしっかりやっているし、毎朝様子を見たり小屋から出てくると「おはよう」などと声をかけている。


我が家のハムスターはそんな感じなのだが、私からするとハムスターの反応の方が理解が出来る。

得体の知れない、自身とは比べようのない大きさの生き物が触ろうとしてくるとか身体に乗せようとしてくるとか、恐怖過ぎる。

懐くなんてもってのほか。放っておいて欲しいし、ただエサを、たまに美味しいおやつをくれたらいいし、何ならこのケージから出して自由にして欲しい。


違う生き物なのだから互いに違う生き方が良い。分かり合う必要なんてない。

そもそも人同士だって難しいのに。
それはもう本当にそう。


ハムスターはケージの中ではあるけど知らぬ相手からの干渉は最低限で、エサも水も自動供給されていて、それが正しい生き方かはすでにわからないけど、それなりなんじゃないかと思っている。

クワガタも捕ってきてしまったことで生き方を変えてしまったけど、エサは探すことなく常にそばにある。それを喜んでいるかはわからないが、今日も誰に取られることもないエサを独占している。


分かり合えもしないし懐きもしないが、我が家に招いたのだから出来る限り居心地良く、少しでも長く生きていて欲しいと思っている。


絆を感じることはないけど、これはもう家族ということで良いのだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?