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【セミナーレポート】ちきりんさん×濱口秀司さんZoomセミナー「こんなときだから 考える力」

人気ブロガーのちきりんさんと、ビジネスデザイナーの濱口秀司さんが、コロナ禍の今だからこそ「自分のアタマで考える」、思考力についての対談トークを行われるとのことで、今まさに「思考力」を高めたい!と思っている自分も、何か得られるものがあるかも!と参加してみました!


セミナー概要

開催日時:7月9日(木曜)20時~21時15分(約50分対談+約20分質疑応答)

おススメ対象とされていた方
・あふれる情報を取捨選択し、自分なりの見通しを持てるように「考える力」を身につけたい方
・さまざまな変化を経て、どんな時代になるのか興味のある方
・これからのビジネスや暮らしがどう変わるのか、不安を感じている方

【登壇者プロフィール】
ちきりん
関西出身。バブル期に証券会社に就職。その後、米国での大学院留学、外資系企業勤務を経て2011年から文筆活動に専念。2005年開設の社会派ブログ「Chikirinの日記」は、日本有数のアクセスと読者数を誇る。シリーズ累計30万部のベストセラー『自分のアタマで考えよう』『マーケット感覚を身につけよう』『自分の時間を取り戻そう』『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』(ダイヤモンド社)のほか、『「自分メディア」はこう作る! 』(文藝春秋)など著書多数。

濱口秀司
京都大学工学部卒業後、松下電工(現パナソニック)に入社。R&Dおよび研究企画に従事後、全社戦略投資案件の意思決定分析を担当。1993年、日本初企業内イントラネットを高須賀宣氏(サイボウズ創業者)とともに考案・構築。1998年から米国のデザイン会社、Zibaに参画。1999年、世界初のUSBフラッシュメモリのコンセプトをつくり、その後数々のイノベーションをリード。パナソニック電工米国研究所上席副社長、米国ソフトウェアベンチャーCOOを経て、2009年に戦略ディレクターとしてZibaに再び参画。現在はZibaのエグゼクティブフェローを務めながら自身の実験会社「monogoto」を立ち上げ、ビジネスデザイン分野にフォーカスした活動を行っている。 B2CからB2Bの幅広い商品・サービスの企画、 製品開発、R&D戦略 、価格戦略を含むマーケティング、工場の生産性向上、財務面も含めた事業・経営戦略に及ぶまで包括的な事業活動のコンサルティングを手掛ける。ドイツRedDotデザイン賞審査員。米国ポートランドとロサンゼルス在住。


そもそも、考える力とは?

考える力とは何かと問われて、本質をとらえたズバリなひとことを言える人はなかなかいないのではないでしょうか。
(私なぞは、考える力とは何か?という疑問を持ったことすらないかも。。)

まず「考える力」とは、どんな能力かということがわかると、それを高めるヒントがわかるのではないかと、濱口さんの思う「考える力」をお話しいただきました。

考える力について、深く考察したことのなかった私には、濱口さんの見解がものすごく新鮮にうつりました。

考える力ってとても重要。意思決定や行動に影響が出てくる。

暴力的に言うと、考える力とは「アイデア」と「ロジック」である。
アイデアはなんなのか、なぜそうなのかという、ロジックとのセットで成り立つ。
両方とも出ている状態が「考えたと」いうこと。

ここでいうアイデアとは、突飛な考えのことではなく、問題に対する解法である。

アイデアだけ出てきたということは、考えたとは言わずに「それは思いつき」であるという、ちきりんさんの言葉が非常に心に残りました。
(私は「思いつき」が多いからこそ、印象に残っているのかもしれません。。)


考えの言語化=単純化させること

ちきりんさんより、考えたことを言語化するのが下手なのは、言語化能力が足りてないからなのか? という問いに対して、濱口さんは、

外に出せない(アウトプットできない)ものは、考えられてないということ。

アウトプットのクオリティとしては、その考えを単純化できるかどうかではかれる。
単純化は、ある意味思考プロセス。
わかりやすく人にソリューションを伝えられることで思考が整理される。

専門家は、自分の専門について他の人にわかりやすく伝えられないと専門家とは呼べないと思う。


確かに…!
相手にわかる、伝わる話し方をしてこそ専門家であると言えるんだなと、自分のことも振り返ってみて反省してみたり。

小難しいことを並べ立てて「デキる」感をかもしていても、結局それで相手に伝わっていなければ、結果として意味がないですよね。

単純化して人にわかりやすく伝えられる=よく考えられている、ともおっしゃられていました。
ここ、自分ができるようになりたいポイントのひとつです…!


思考力は3つのコンポーネントから成り立つ

自分の思考力を高める方法について、おふたりで意見を交換されてらっしゃいました。

ちきりんさんが、思考力は3つのコンポーネント(構成要素)に分かれるとおっしゃられていて、そんな風に分解して考えたことなかった自分は「すごい・・!」と、非常に驚きました。

そのコンポーネントとは以下の3つ。

考えることが好きかどうか(先天的)
ロジカルシンキング(テクニック・後天的)
思考体力(何時間でも考え続ける体力)

この中で、自分は何が弱いかを把握すれば、それを補う行動が取れるのではないかとおっしゃられていました。
確かに、ひとつひとつを分解して考えると改善点が見えやすく、課題に対して取り組みやすいかもしれません。


具体的な思考力を高めるトレーニング方法

具体的に、日々思考力を高める方法をおふたりで議論されていました。

何か問題解決をしなくてはいけないシーン。
そこで、日々練習をすることが必要。

行動をするとき、1分〜2分くらい考えてみる。
そのときに、自分が何を考えていたかを客観的にみて、言葉にする訓練(フィードバック)をしてみるといい。

「まずは文章を読んで内容を理解しようと思った」など、自分が何を考えて行動しようとしたかという軌跡を知る。自分の思考パターンもわかる。

パターンを知って、それをコントロールできるようになると、無駄にも気付けて、思考力向上につながる。
自分の思考をコントロールしたり、改良したりできる=テクニック。
うまくいくときの思考パターンを再現できるようになる。
同じやり方(パターン)で考えていると、思考体力は向上しない。
別のアプローチ方法での思考もできるようトレーニングすると、思考の筋力がつき、ひいては思考体力がつくようになる。

思考力も、筋トレのように日々のトレーニングの積み重ねで


思考力を高めるのは難しい

終始、「思考力を高めることは難しい」とおっしゃられていたのが印象的でした。

野球などのスポーツでは、うまいひとのフォームをビデオで見たりして真似もできるけれど、思考がうまいひとのやり方を、簡単に真似できないのは、思考ログを可視化できない・アウトプットしか見られないから。

これは本当に首がもげるレベルで大きくうなづきました!

この人、めちゃくちゃ考えのアウトプットが理路整然としていてわかりやすい! すごいな〜!と思う人に出会うことがありますが、その方がどういうプロセスを経てそのアウトプットに至ったかは、そのまま見ることはどう頑張ってもできないですものね。。

それこそ、こういう方は思考パターンを把握した上で、アウトプットに最適なルートを辿れるように自分の思考をコントロールしているのだろうなと。


印象的だった質疑応答

いくつかの質疑応答が行われた中で、私が最も印象に残ったものをご紹介します。

Q:思考力と対人コミュニケーション力は関係あるか?

ちきりんさん:
ほぼほぼ関係ない。しゃべる能力ではなく、相手の気持ちを読む=コミュニケーション能力だと思う。
スキルを高めるためには、自分で言語化できる能力を持っていると何事も有利である。
アスリートでも、強い人はその理由の説明能力が高いひとは効率的に上手くなっていく。

濱口さん:
思考力は関係ない。言語化能力は多少関係ある。
対象物が日常ではなくビジネスの場合、答えがないといけない。ロジックが完璧に通っていればビジネスは成立する。

アスリートの例としてイチロー選手の話が出ていましたが、確かになぜ勝利できたかなどをきちんと言葉にできる人(サッカーだと長谷部選手とか)は、確かに一目置かれる存在だなあとかなり納得しました。

考えたアイデアを明確な理由をもって、結果に結びつく行動ができているかが、結果に出るのだなと。


まとめ

こんなに「考えること」について考えさせられる機会はなかったので、とても有意義なセミナーでした!

私自身、思いつきではなくきちんと「考えた」上での行動と結果を意識したアウトプットをしていきたいと、改めて思いました。
そのためにも、自分が何を考えて行動したかを言語化するトレーニングなど、noteでも行なえたらなと思います!


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