見出し画像

「いつも安定している親」は子供にとってプラスなのか問題

15秒で分かる今日のポイント
●親が新しい環境にチャレンジする過程で、イライラしたり、子供に八つ当たりするのは、「子供にとって悪いコト」とは限らない
●「親が言うことは絶対正しい」わけではないと子供に伝えるのも親の役目
●それを伝える1つの手段が「親も不完全」であることを見せること


■親が不安定・不完全なのは子供にとって迷惑?

先日、ご近所に住んでいるけどコロナ禍でなかなか会えなかった友達と、念願のご近所ランチに行きました!

その時に出た話題で、あぁなるほどなと思ったこと。

彼女はこれまで何度か転職しようと思ったそうなのですが、できなかったのは…

子供に迷惑をかけるんじゃないか

という心配があったから、なんだそう。


転職したら職場が変わって、人間関係も1から構築しなくてはいけないし、仕事にも慣れるのに時間がかかるし…ちょっと不安定になって子供にイライラして八つ当たりしてしまったりするんじゃないか、と思うとなかなか転職に踏み切れなかったそうで…


でも、私がそれに関してまず思ったことって…

それって迷惑なの???

ってことです。


もちろん常に八つ当たりしたり、イライラしていたり、子供をはけ口に虐待するような親は例外ですが、

親だって人間なので、時にはイライラしたり、不安定になることもあるのはむしろ当然で、

それが子供にとって仮に「迷惑」なんだとしても「良くないこと」なのかどうかは疑わしいと私は思っています。



■親が言うことが「絶対正しい」と思う子供

彼女とこの日話していたとき、

結構な大人になるまで「親の言うことは絶対正しいと思っていたよね」

という話になりました。

確かに!私もそうだった気がします。

親の教えの色々…
結婚するのが女の幸せだ、結婚したら家庭に入る、3歳までは母親は働かずに子供の近くにいるべき、親の言うことには反論しないものだ、資格を取るのが当たり前、など

私たちの多くは「親に言われることをちゃんと聞く子がいい子」という育てられ方をしてきましたよね。


でもやはり

親はどれだけ頑張っても「1世代前の人たち」

なわけです。

自分たちが生きてきた過去~現在の常識は持ち合わせていても、子供がこれから迎える新しい時代の常識はまだ知らない人たちなわけです。


だから親は、自分たちが提供している考え方が、あくまで「親の時代のもの」であることを自覚している必要があるんじゃないかと思います。

そして、子供たちも同じく、自分たちが親(大人)から言われることが「親の時代の考え方」で、それはこれから変わっていく可能性のある、流動的なものであることを、できれば自覚して受け取ってもらえたらと思うんですよね。


別に親や大人が言うことや教えることが無駄だったり有害だったりするという意味ではありません。時代が変わっても変わらないことは当然あります。


ただ、

本来変わるもんだ・変わりゆくのが当然だ

と、親子ともに認識しておくのがいいんじゃないかと思うのです。



■不安定な親を見せることは「親の教えは絶対ではない」ことを伝える手段

でも、今一生懸命に親の話を聞いてくれている子供に、「今はこうだけど、将来は変わるかもしれないから」とか「これはあくまで今現在の考え方だから」とか言っても分からないと思いますし、

そんなこと言われたら「じゃあ今それを学ぶことに意味あるの?」みたいになることもあるかもしれないので、


それを伝える1つの方法が、

「親の不完全さを見せる」

と言うことなんじゃないかと思うんです。

例えば、さっきの話のように、転職して、職場にまだ慣れなくて、イライラして子供に八つ当たりしてしまうようなこと…確かにあるかもしれませんよね。


そしたら、単に

謝ればいい

んじゃないかと思います。

「ごめんね、お母さん近頃仕事が変わったばかりで、いっぱいいっぱいになって、ちょっとイライラしてるみたい」と、それだけでいいのではないでしょうか。

そうか、お母さんにもそんな日があるんだな、間違うこともあるんだな、不安定になることもあるんだな、

そしてそういう時は謝ってくれるんだな、


これって至極まっとうなコミュニケーションであり、むしろとても教育的なんじゃないでしょうか。


お母さんも間違うことがある=お母さんの言うことは常に正しいわけではない

そういうコミュニケーションを通して初めて、子供も親の言うことが絶対ではないことを知るのではないかなと思うんです。



■私たち自身が一昔前の「親」イメージから解放されること

「それってほんと?」と疑問を抱く。

お母さんはそういうけど、「僕は違うんじゃないかと思う」「違う意見もあるんだと思う」

素直に親の言うことを聞く「いい子」より、「自分の意見を持ち、考え方を持つ子」になって欲しいと私は思います。


親が完璧でいること、いつも安定していること、子供に弱みを見せずにいつもニコニコ一定モードのお母さんでいること、

それは悪いことではありませんが、「子供のため」にあえてそうしているなら、今すぐやめた方がいい!


むしろ「不安定な自分」「不完全な自分」の方が子供にプラスになるんじゃないかと、私は思います。


「親が言うことが絶対正しい」と思って大人になった私たちの親は、きっととても努力をし、「子供に迷惑をかけないように」、「親らしく振舞わないと」と心がけてきたのではないかと思います。

親は「子供に教える立場である」と思うと、自分を律する気持ちが強くなります。正しい人であろうとしますよね。


私も、人として子供に育ててもらっているなぁと日々実感しているわけですが、「親としての自分」は常に子供(長子)と同じ年!

まだまだ発展途上だからこそ、子供と一緒に育っていくくらいの意識で本当はいいんじゃないでしょうか。


自分たちがまず、一昔前の「親たるものこうでなくてはならぬ」から解放されること

目に見えないけど自分が縛られているそういう固定観念をちょっとずつほどいていくこと。

それが変わりゆく時代にどう向き合うかを、子供に身をもって伝えることに繋がるんじゃないかと思ったりしています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?