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神様とともに楽しむとき

去る2月3日、戸隠の節分祭に行ってきた。

冬至の日に出会った山伏の方から

「節分祭で法螺貝の奉納演奏をするので
よかったら来てくださいね」

と声をかけていただいたのがきっかけ。

そうでなければこの寒い中、戸隠に行こうと思わなかっただろう。

これもお導き、と思えた。


祝詞の奏上、太々神楽、奉納演奏と貴重な神事を間近で体験させてもらった。

お神楽は罪祓いの内容と、弓矢で魔を滅する内容の二座。

舞なのでどちらも優美な印象。

一方で法螺貝の演奏は荒々しくて、身体の内側にまで振動がビンビンくる。

戸隠は修験山だからか、その猛々しい音がとても似合っているなぁ、と感じた。

印象的だったのは、大人の背丈をゆうに超えるほどの大太鼓を叩く人がいて、山伏はそれと対となる位置で演奏されていたこと。

太鼓を叩く人はちょっとトランス状態?になっているように見えたし、(演奏前とは別人な雰囲気だった)山伏はその気配を感じながら法螺貝の音を調整しているように見えた。

冬至の日を思い出す。

「神様は遊ぶのが好きなんだよ」

「音を鳴らすことや踊りは神様に楽しんでもらうためにやるんだよ」

そういえば、そんなことを教えてもらったな。

目の前で繰り広げられていたのは、まさに神様との「セッション」のよう。

神様と遊ぶってこういうことか、と思ったし、音や舞の奉納とは神様に楽しんでもらえるようにおもてなしをすることなんだな…と思った。

「お客様は神様です」

という言葉があるけれど、日本のおもてなし精神の根本はここにあるのかな…

なんてことを薄ら考えながら感じ入った。

全ての式が終わり、「鬼は外!福は内!」とその場にいた全員で唱和した。

拝殿所の窓が全て開け放たれ、体感はすっごい寒かったのだけど、そのときのみんなのほころんだ笑顔にあたたかい気持ちになった。

たまたまこの場に集まった人たち。みんな知らない人同士なのに一瞬にして和ができる。

日本はやっぱり優しい国だ。

「今年も良い年にしていきます」

心の内で神様にそう誓った。

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