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日フィル×小菅優さん

幼少時代に交流があった小菅優さんが弾くラフマニノフの協奏曲3番を聴きに行った。リサイタルを聴きに行くことはあっても、協奏曲はなかなか機会がなかった。しかもラフマニノフの3番は10数年ぶりに演奏すると聞いていたので、楽しみにしていた。芸術劇場の2階席に座って待っていると、紫色の可愛いドレスで登場。その姿を見ただけで、なぜか感極まってしまったのだけれど、終わる頃には感動で本当に泣いていた。派手なスタンディングとかブラヴォーはなくても、会場全体が同じ感動を共有していたかのように拍手喝采が起こり、なかなか鳴り止まずに5回も6回もカーテンコールが続いた。カーチュンウォンが指揮するオーケストラにも迫力があって良かったけれど、ソリストはそれ以上にパワフル。そしてどんな弱音も心地よい圧が指先にかかり、密度のある音で心から湧き起こる感情を語りかけられているよう。1楽章のテーマが戻ってきた時の、哀愁を帯びた旋律を歌う深い音が印象的だったし、カデンツァのチョイスは優ちゃんにピッタリ合っていてゴージャスだった。

2月末からは新しい企画のリサイタルツアーがあるそうだ。


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