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田舎移住者と地元民の描写がリアルなユートピア

私は読書が好き。
ジャンルは様々、集中できそうな時は
時間を確保し小説の世界に浸る。

田舎と大阪を行き来する時は、本を読む為に
運転しなくて済む高速バスで移動するほど
隙間時間を活用して読書時間を作る。

だから、本を読む『暇がない』から羨ましい
という人とは価値観が合わない。
結局その人は暇でも本を読む選択をしないし、
羨ましいなんて遠回しな嫌味マウントされる。

と話は本題に入り、
私は湊かなえさんの小説を手に取る事があり、
本屋さんで知ることもあるし映画やドラマを
先に見て湊かなえさんだと気づくこともある。

日常的に起きそうな事、居そうな人、
この登場人物は○○さんぽいと感情移入したり
こういう事件や隠され事を抱えた人いるかも?
など考えることもあるし深く考え込むことから
メンタルや生活が潤ってないと読めなさそうで
あえて読んでいない本もまだまだある…

山女日記は自分が登山ガイドしているから
映像予告を知ったドラマをたまたま観て、
湊かなえさんの小説だと知った。
映像でみたあの帽子、素敵だったなぁ。

登山ガイドを通じて自分の過去の経験や
参加者が抱えた悩みや問題を浄化していく、
自然に近いところで暮らし、一期一会の仕事。
この一期一会が深い第二の人生がまた響く。

またリピートして読みたくなるし
歳を重ねてまた読むと再発見ありそう。

ここ数年1番のおすすめは『ユートピア』

この書籍も地方の話で、風景の描写から
日常(商店街やカフェ)が勝手に浮かぶ。
田舎移住者が地域で暮らす視点、
主人公である地元の人が移住者を見る視点、
付き合うこと、心の中などがリアリティで

物語の筋である、とある事件の解決もだけど
地元の主人公、夫の転勤で移住してきた妻、
(大企業の工場・社宅ありってのもリアル)
芸術家活動する為に移住してきた女性、
(芸術家ばかりが集まる場所もリアル)
それぞれが「誰かのために役に立ちたい」と
模索する。リアルでもよくある地域創生動機。

本の帯にあった
『善意は悪意より恐ろしい』とは何か?
様々な立場に当てはまる。

私は主人公である地元育ちの女性が
最後のあたりで自問自答していたところが
立場が違うのにハッとして印象に残った。
自分を外から見て反省させられる感じ。

映像化したら絶対観たい。
田舎移住した人や、移住誘致している側の人、
田舎暮らしで創作活動や起業したい人など
それぞれ共感できると思う。

ちなみに勝手に四国あたりだとイメージして
最後まで心の中に空想風景を描いて読んだ。
暮らしている気分になり気づきもあった。

この本の軸である事件の結果はわかっていても
そこではない全部の流れをリピートしたい

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