見出し画像

転職のこと ep.6:退職が決まってから

前回の記事では、現在勤めている会社との出会いについてお話しました。今回は退職が決まってから最終出社日までのことについて、お話したいと思います。

前回の記事はコチラ↓↓↓

会社へ退職の意思を伝える

2021年2月5日、私は上司へ退職の意思を伝えました。退職の意思を伝えるときの言い方について、私はあまり意識をしたことがありませんでした。皆さんだったら、どのように伝えますか?

退職させてください。
退職します。
退職したいと思っています。

私は初めて退職の意思を伝えたとき、「退職しようと思っています」と伝えてしまいました。「思っています」ということは、まだ決めていないとも捉えることができます。ここからも、退職の意思が固まっていないことが感じ取れますよね。

そうなれば、会社側は引き止めに入ってきます。

転職先が決まった時は、「退職します」と伝えました。自分の中で、退職するという覚悟が決まった状態です。そうなれば上司も「わかった」と言ってくださり、私の退職が決定しました。

少しの違いかもしれませんが、受け取り方が全く違います。自分の覚悟や想いは、口から出る言葉にも表れるのだなと思いました。 

やることがたくさん…

上司との面談の結果、私の最終出社日は2021年3月5日に決まりました。最終出社日は、私の希望と所属部署の状況を考え、上司と話し合ったうえで決定しました。最終出社日まで1か月、やることは山のようにありました。

・会社へ退職届を提出
・周囲への退職報告
・取引先への退職報告
・業務引継書の作成と、後任者への引継ぎ
・お世話になった方々へのギフトを購入
・オフィスのロッカーやデスク周りの片づけ
・転職先の会社へ入社承諾書他、入社書類を提出

この1か月は、私が生きてきた中でいちばん早く過ぎた1か月だったと感じました。これまでの思い出に浸る時間は、ほとんどありませんでした。

終わらない退職報告

一番大変だったのが、周囲の方々への退職報告でした。

同じチームの部下や業務上関わる方々への退職報告は、いちばんに行いました。ですが、さすがに15年も勤めていると、お世話になった方はたくさんいます。一体どこまで退職報告をすればよいのかと途方に暮れました。

そこで私は退職報告をする期間を決めて、それ以降は自然に話が広がることを待つことにしました。口頭で伝えるべき方々をリストアップし、アポを取り、会いに行きました。

私の退職報告は、かなり事務的なものだったと思います。本当の退職理由なんてお話できないと思い、退職報告の定型文を作って皆さんへ退職の意思をお伝えしました。

そんな中でも、退職報告をしたときに私が号泣してしまった方が2人いました。それは、在職中に大きな転機となる異動のきっかけとなった上司と、在職中いちばん長く一緒に仕事をした上司です。

退職する意思を伝え、自分の思いを話しながら、私はおふたりと仕事をしていた時のことを思い出していました。

働くってこういうことなんだなとわかり始めた20代中頃、自分に与えられた重たい役割を全うしようと、まだまだ経験値が浅い中でもいろいろ考え行動し、必死に仕事をしていました。

あの頃がなければ、私はここまで成長することはできなかったと思います。

お話をしながらいろんな感情が湧いてきて自分の中でも処理ができず、それが涙として表に出てきました。「私どうして辞めるんだろう」そんな言葉が出てしまった私に、「やり切ったんだね、ここで。やり切ったんだよ。」そう仰ってくださいました。

他の皆さんも、私のありきたりな言葉でしかない退職報告に対し、暖かい言葉で受け入れてくださいました。

退職報告をしながら、この会社で社会人生活をスタートさせることができて本当に良かったと思い、日々感謝の気持ちが溢れてきました。辞めると決めてから初めて「寂しいな」と思うようになりました。

辞めるきっかけはネガティブなものだったかもしれません。ですが、この15年間が私を大きく成長させたことは間違いありません。

思いもよらぬプレゼント

2021年3月5日、最終出社日を迎えました。この日は、お世話になった部署へお礼のギフトを持って最後の挨拶へ行ったり、会社からの貸与品を返却したりで1日を終えました。

勤務終了の17時、皆さんへ退職の挨拶をします。オフィスには、たくさんの方が集まってくださいました。退職の挨拶は、泣いてしまってちゃんと話せないかもしれないと思っていましたが、それほど涙は出ませんでした。

この日、皆さんからたくさんのギフトをいただきました。ミモザの大きな花束、大好きなブランドの定期入れ、化粧品や入浴剤。どれも私が好きなものばかりでした。

そしていちばん驚いたのは、社内の皆さんからのビデオメッセージでした。

30分を超える大作には、社長をはじめ親会社の方々、入社からお世話になった先輩や同僚、後輩たち、たくさんのメッセージが詰まっていました。いつのまにこんなの作っていたんだろう。全く気づいておらず、本当に驚きました。

皆さんからのメッセージを受け取った私は、最後になってやっと、大切なことに気づきました。

私ってこんなに愛されていたんだ。

なんで気づかなかったんだろう。こんなにたくさんの方々に支えられて、これまでやってきたんだ。最終出社日に初めて、辞めることを少し後悔しました。

さいごに

四面楚歌だと思い込み、勝手に孤立していた日々。もうここでやっていくのは難しいと思い、退職を決意しました。ですが本当は、たくさんの方に愛され、支えられていたことに最後になって気づくことができました。

だからと言って、「辞めなければよかった」と思っているわけではありません。愛されていること、支えていただいたことは本当に感謝しています。ですが、いちばん大切なのは「私がどうしたいのか」ということだと思います。

きっかけはネガティブなものでも、私は新しい道へ進む決断をしたのです。皆さんからのビデオメッセージは、そんな私の背中を押してくれました。

次回の記事では、最終出社日後の有給消化中のことについてお話したいと思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?