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どうして今の仕事してるんですか?

学生にそう聞かれて、改めて振り返る機会をいただきました。

どうして今の仕事をしているのか。

私は、幼稚園の頃から「先生」になりたいって思ってました。
人前で堂々と話をして、たくさんの人に影響を与える「先生」という存在が、すごくかっこいいと思っていました。

学生時代、多くの友達が教職課程を履修することになり、「先生」への道が改めて現実味を帯びた頃、なぜか私は「ちょっと待った!」って自分にブレーキをかけました。

理由は「もっと遊びたい!」でした。
我ながら、しょーもない理由💦
でも当時軽音楽部でいくつものバンドを掛け持ちしていた私は、部活が楽しくて楽しくて、この時間が減ってしまうのが耐えられなかったんです。
実際、教職課程を取った友達は、すごく忙しそうでした。

「本当はもっと頑張れたんじゃないかな」ってモヤモヤしながら、それでも私はロックンロールを選んだの♪って自分に言い聞かせながら、学生時代は終わりました。

そして就活はボロボロ。
今でさえ、キャリア相談室で学生達に偉そうなことを言っていますが、当時の私の姿は今の学生に見せられたもんじゃないです、ほんとに。
自分が何をやりたいのかもわからず、自分の強みも弱みも知らず、自分の価値観にも気づけず、ただただ「順応性があります」と言いながら、その企業に気に入ってもらえるように取り繕っていました。
自分軸がブレブレな学生は、採用担当者はしっかりと見抜きます。
超売り手市場で、いくつも内定をもらっていた友達を横目に、私は選考から落ち続けました。
自宅の近所の公衆電話から、当時のゼミの教授に泣きながら電話したことを今でも覚えています。

そして、「もういいや!」ってひらきなおって「私のまんま就活しよう!」と決めて臨んだ選考に通過。ようやく私を社会人にしてくれる企業が現れました。

新社会人としての仕事は一般事務。
職場のOA化がすすむ中、新しいパソコンの使い方をいち早く覚え、頭の硬い上司に優しく教え続けたことが、今の仕事の土台になります。
自分も機械の操作が苦手だったから、苦手な人にはこんな伝え方が伝わりやすいかなって、試行錯誤するのが好きでした。
そしてキャリアを積んでからは、副社長の秘書や自社ビルの総合受付など、業務の幅も広がりました。
誰かに「ありがとう」って言われるたびに、「お役に立ててるなぁ」ってしみじみと感激する日々でした。

それなりに楽しい日々だったけど、「先生になりたい!」という夢は、忘れたふりをしていました。あの時「バンドやりたい!」を優先した自分を、後悔することもありませんでした。

そしてライフスタイルの変化とともに仕事が変わり、前職のスキルを活かしてパソコン講師としてお声がけいただき、「誰より優しく教えるパソコン講師」として、ちょっと自信がついてきた頃、ふと気づいたことがあります。

それは、「私パソコン好きじゃないなぁ」ということ。
タイピングも結構速かったし、他の人が知らないワードエクセルの技も知っていたけど、これを教えることが楽しい訳じゃないよなぁって気づきました。

じゃ、何が嬉しい?何が幸せ?って考えた時に、
「パソコンわかんないんですー」っていう人が、私が働きかけたことによって「わかったー!」「できたー!」って感じた瞬間に、表情がパッと明るくなるのが、何より嬉しくて幸せなんだなぁって思いました。

そう。パソコンが好きなんじゃなく、人が好きなんだなぁってようやく気づいたんです。

それからは、もっともっと人と深く関わりたくて、コーチングやNLP心理学をはじめとした心の学びを現在も深めているところです。
そして、気づいたら、大学で、「先生」って呼ばれて大勢の前で話をしたり、個人面談で偉そうなことを言うようになってました^^;

小さい頃、先生になりたかったのは、自分の働きかけによって、周りの人に影響を与えたかったから。
周りの人がパッと明るい表情になってくれたら幸せ。
誰かに寄り添って、誰かを応援し続けたい。
その夢には、教員免許を持っていなくてもたどり着けたのでした。

「先生になりたい」のもっと先に何があるのかを考えれば、その、最終目的を叶えるためには、「先生」にこだわる必要はないんですよね。

だから学生にも、「なりたい未来のその先に、何があるんだろう」っていうところまで問いかけて、一緒に考えるんです。

そうするとね、将来の可能性って、無限に広がるんですよね。
なりたい自分に必ずなれるから、まずは「なりたい自分」を探すところから始めよう。

私は、小学生の頃の私に胸を張って言えます。

あなたの描いている夢に、ちゃんと辿り着けているからねって。

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