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発達障害の人の、夜尿症、おむつ取れ遅れなどについて

私は、AIと脳科学を研究しています。
その中で、「こういったことができない」というのは、多くの場合、脳のどこかの不全になるケースが多いです。
発達障害の人の、「あれが困っている」というのは、たいがいが脳のどこかに原因があることが多いです。
(残念ながら、環境以前に、遺伝です。両親、祖父母の誰かが発達障害が発現するような遺伝子を持っていたことが多いです。あとは、何か金属や化合物を胎児、幼児期に多くとってしまって脳損傷があるなどでしょう。要は、出方がひどいか軽度で当人も気づかなかっただけなのかなと思います。)

できることと、できないことが非常にばらばらなので、最近ではネットでは、「凸凹な人」といわれています。

以前に書いたコンテンツで、発達障害の人、特に子供は、いろんな成長の遅れ、感覚の違い(視覚、聴覚、味覚、触覚など)について解説しました。

ひどい場合は、偏食になることも説明しましたが、それは口の中の感覚の異常のせいや、味覚異常のせいでした。
子供は特に成長のために、食品をたくさんバランスよく食べないといけないのに、特定のものが食べられないと小さいまま・・・になりかねません。

他に、この感覚の異常は、どうも排せつについてもあるようです。

1つは、夜尿症が10歳20歳になっても治らず、20歳すぎてやっと治ったというケースです。
他には、何か作業に集中しすぎていて、トイレに行くのを忘れて、おもらしするというケースもあります。
また、「トイレにいかないと」と気づいでも、ADHDの子供だとトイレに行くまでの間に、廊下におもちゃやカレンダー、ポスターなどがあると注意がそっちにいってしまい、トイレにいくことをぱっと忘れてしまい、間に合わなくなり、お漏らししてしまうケースもあります。

こちらに、理由が解説されています。


「原因1:おしっこを出す、おしっこを貯めるといった排尿機能は、前頭前野や前帯状回などの大脳によりコントロールされています。これらの大脳機能の局在部位が、自閉症やADHDの脳の障害部位と同じ、もしくは近いために障害の影響が波及していることが考えられています。これらは近年の画像検査(fMRI)の進歩により明らかになってきました。」

もう1つは、昼間であっても、おむつがなかなか取れないという点ですが、これは感覚鈍麻というので解説されています。
上のリンク先でも書かれていますが、「下半身の感覚が鈍いため、排せつしていても、おむつが気持ち悪いとか、いつまでもおむつでかっこ悪いといった感覚がない」ので、よけいにおむつが取れないらしいです。

「原因4:自閉症のお子さんは感覚鈍麻といって、尿が地肌についても不快に思わない、モレてビショビショでも気にならないなどの特性があるため、不快感から治そう!という気持ちになりにくいのも原因の一つになります。
原因5:ADHDのお子さんは、周囲からの見た自分、自分が周囲にどのように思われているか、などを全く気にしない傾向があります。そのため、宿泊行事でも平気でオムツを持っていったりできるので、おねしょを治そうという意欲が極端に欠けている場合も少なくありません。」

1年や2年なら、親御さんもおむつの世話に我慢できるかもしれないですが、さすがに小学校に入ってもずっとおむつだと、荷物もかさばりますし、いじわるな子供にいじめをされるかもしれません。

遅くてもトイレトレーニングをするとか、夜尿症についてはお薬もあるようなので、それらを専門家と相談して、早く自立してもらうことが望まれます。
普通より手がかかるのですから、親御さんの悩みはなかなか晴れません。おむつや夜尿症だけでも1つずつクリアしていければ、親のほうの心配も減るというものです。

なお、少し難しいですが、fMRIでADHDの人とそうでない人の脳の違いを研究したり、まとめている方がいますので、リンクします。
簡単なところでは、海馬が小さいといったことも報告されているのですが、ADHDの人が、忘れっぽい、記憶しづらいといった特徴に一致します。
(海馬は、短期記憶を長期記憶に変換するための部位です。)
よく「ワーキングメモリが少ない」といわれるのも、関係しているかもしれません。


特徴に応じて、アラームを使う、メモをこまめにとって見直す(とるのは取るが、読み返さない人が発達障害には多いようです)、作業の前に丁寧に準備する・・・といったことで、日々の困ったことは減るので、こういった専門家の科学的・医学的知識はきちんと理解して、生活にいかすのがいいと思います。

AI,脳科学、生物学、心理学など幅広く研究しております。 貴重なサポートは、文献の購入などにあてさせていただきます。 これからも、科学的事実を皆様に役立つようにシェアしていきたいと思います。 ありがとうございます!!