ikari
週に一度、いま会社がこだわっていることの週報がでる。
保険販売というわけではないが、このコロナ禍のなかで、
数を問われる仕事となる。
営業員が、お客さんに導入してもらった数が、各拠点の週報となって出るのだ。
実績は、芳しくなかった。
「どうしますか?」と私は部長に問うた。
すると、「仕事をなめちゃいけない」と言い、
「名指しで理由を問え」という。
私は部下の営業員を詰めることも仕事だと思っているので、というか、
週間で1も進展しない人は怠慢だと言える。
が、いまは営業員は歩合でなく保障があるので、
ぶらさがっている人はいつにも増して怠惰だ。
もともと怠惰な人もいるが、そういう集団を働き者にすることこそ真の仕事だと言える。
「わかりました」と私は言った。
翌朝の朝礼で、私は、怠慢な職員に全員の前で理由をくまなく問うた。
「なんでですか?」
「そのような考えでできると思ったんですか?」
「どうすればできるようになると思いますか?」
場は沈黙につつまれた。誰もが俯いた。
私は少々詰問が過ぎたかと感じたが、ギリギリのラインまで踏み込んだ。
「これくらいでいいでしょうか?」
部長に、朝礼が終わった後、問うた。
「もうすこし短くてもよかったんじゃ」
「ていうか、あなたキツいね」
「○○さんは意地悪なの?怖いなー。俺も気をつけよう・・」
と、急に寝返ってきた。
それでいて、理由を問えと言ったにもかかわらず、
自分には関係ないようなそぶりを見せてきた。
出た。これがこの会社特有のとかげのしっぽ切りだ。
責任逃れ。こういう輩がいちばん私は許せない。
「こいつは裏切るな」
私は内心、そう確信した。
上司を信用したら痛い目に遭う。気をつけよう。
いまだに怒りが治らない。
どうにか営業員の中に派閥をつくり、
まずは自分を守る城壁を確保しよう。
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