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感謝のナッジ

ひきつづき「ナッジ」について。

「ナッジ」とは、おおざっぱにいうと、
「人間の心理を利用して行動を促すさりげない仕掛け・優しいテクニック」
を指す。

たとえば、南三陸町(宮城県)にあるバイオガス施設では、生ごみをメタン発酵させて電気や液肥を作り、地域に還元することで資源を循環させようとている。
なかなか思った生ごみ回収が進まなかったが、あるとき以降、ごみ収集所に「感謝状」を掲示したところ、

  • 生ごみへの異物混入が減る

  • 回収に協力する量が増える

という効果があった。
「感謝状」を飾っただけだが、人は動いた。

そういう「さりげない誘導」がナッジだ。
ナッジは、人々の選択や行動を微妙に方向づける手法のことを指す。

今回のテーマは、「感謝のナッジ」。

先ほどのバイオガス施設の例のほかにも、お手洗いに
「いつも綺麗に使っていただいてありがとうございます」
という貼り紙を見た人は多いと思う。

このような貼り紙は、利用者の行動に対し肯定的なフィードバックを提供し、行動を穏やかに方向づける役割を果たす。
自分の行動が認識され、評価されていると感じることで、人は望ましい行動をする。

このテクニックは協会の運営にどのように応用できるだろうか。
いくつか例を挙げると、

  • 会員向けのメール:定期的に会員に感謝のメッセージを送り、彼らの参加と貢献に感謝する。

  • 活動報告書:協会の活動報告書やニュースレターに、会員の貢献を取り上げて感謝示す。

  • 会員証:会員証に「あなたの貢献に感謝します」というメッセージを入れることで、常に感謝の意を伝える。

  • イベントでの言及:イベントやミーティングで、特定の会員や会員全体の貢献を公に感謝する。

  • 会員専用のウェブページ:会員専用ウェブページに感謝のメッセージを掲載する。

  • 感謝の壁:事務所や会議場に「感謝の壁」を設置し、会員の名前や貢献を記録する。

  • 特別な感謝イベント:会員の貢献を祝う特別なイベントを開く。

  • ソーシャルメディアでの言及:協会のソーシャルメディアで会員の貢献やストーリーを取り上げる。

  • 個別の感謝状:特に貢献が大きい会員には、個別の感謝状を送る。報酬ではなく感謝状である点が重要。

余談だが「感謝をポイント化する試み」を行っている企業もある。
従業員がお互いの貢献や協力を認識し、評価するためのシステムだ。

たとえば同僚があなたの仕事を手伝ってくれたとしよう。
あなたはその同僚に助けてもらったことを会社に報告する。
すると同僚にはポイントが与えられる。
与えられたポイントをどうするかは様々だが、1つにはあとで特典のようなものに交換できたりする。

こうしたシステムには、組織内の協力や肯定的なフィードバックを促進し、従業員のモチベーションや満足度を向上させる効果があると考えられている。





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