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汎用:団体の作り方

協会にかぎらず、一般的な団体の作りかたを解説します。
あたらしく団体を作ろうと思っている人は、参考にしてください。


【1】団体を作る前に

1-1.すでにある団体をチェック

あなたが始めたいと思っている活動は、
わざわざ自分が団体を立ち上げなくても、すでに活動をしている団体に参加して活動すれば済むこと
かもしれません。
そういう団体があるかどうかを、いちど調べておきましょう。
この時代、ネットで調べるだけでもいろいろと情報が得られます。

むろん、そういう団体があったとしても、必ずしも入る必要はありません。

  • 活動場所が遠い

  • 考えかたが違う

  • 雰囲気が合わない

  • 嫌いな人が参加している

などの理由で、「やはり自分で団体を立ち上げよう」という結論になってもよいのです。

それに、既存の団体について情報を取っておくと、後でいろいろと役に立つでしょう。
成功例や失敗例がわかるかもしれませんし、今後協力しあえる可能性もあります。

1-2.ひとりで考えるか、誰かと相談するか

団体を作るプロセスには、大きくわけて

A:自分で考えて全部組み立ててから、メンバーを募集する
B:最初から気の合うメンバーと一緒に組み立てを話し合う
C:上記A、Bの中間

という3種類があります。

Cの「A、Bの中間」とは、たとえば
ある程度プランができるまでは自分で考え、途中から仲間を引き入れる
といったプロセスです。

A、B、Cどれが良いかは、いちがいには言えません。
あなたがやりやすいと思えるプロセスを選ぶのがよいでしょう。
ここはあなたの性格が出るところです。

【2】団体の種類

世の中の「団体」にはどんな種類があるか、整理しておきましょう。
団体には、大きくわけて

  • 任意団体

  • 法人

という区別があります。

2-1.任意団体

役所に届け出(登記)をしていない団体を「任意団体」といいます。
たとえば

  • 町内会

  • サークル

  • 婦人会

  • おっさんの草野球チーム

  • PTA

などは、ほとんどが任意団体です。

2-2.法人

役所に届け出(登記)している団体を「法人」といいます。
たとえば

  • 株式会社

  • 合同会社

  • 社団

  • NPO

  • 財団

などが法人として扱われます。

法人にはそれぞれの法律があります。
したがって法人が活動するにあたっては、該当する法律に従って活動することになります。

2-3.任意団体と法人、どちらを選ぶ?

任意団体がよいのか法人がよいのかは、いちがいには言えません。
ただ、ビジネス色の濃い団体を作る場合は最初から法人を選ぶことが多いですね。
そうでない場合は
「当面は任意団体として活動し、時機が来たら法人化する」
という考えでスタートすることが多いです。

本稿では任意団体をケースに話を進めます。

【3】はじめに考えること

まずは名前です。
あらためて書くまでもないですが、団体には名前が必要です。
名前を含め、団体に最低限必要な要素をあげておきます。

  • 名前

  • 代表者

  • メンバー(会員)になる条件や手続き

3-1.名前

「名は体を表す」の言葉があるように、名前をみただけでだいたいの活動内容がわかるような、そんな名前をつけるのが理想的です。
とくに
「会員を増やしたい」
「メンバーを募集している」
といった場合は、名前がわかりやすいほうが有利です。

実際には会社などで、
「株式会社タナカ」
「ジャパン産業株式会社」
(いずれも架空の名前)
のように、名前だけでは何をしているかよくわからないケースがかなりあります。
また、つけたい名前をすでに他の団体が使ってしまっていることもあるでしょう。

けれども、わかりやすい名前をつけることができるのであれば、それが最適といえます。

3-2.代表者

団体には代表者がいるのがふつうです。
近年話題の「ティール組織」のように代表者がいない団体を作ることは可能かもしれませんが、一般的には団体には代表者がいます。

代表者は1人とはかぎりません。
人数の多い団体で、2人体制、3人体制で代表を担うこともあります。

そうはいっても、ほとんどの任意団体で代表者は1人です。

代表者は永久に代表者である必要もありません。
たとえば「任期」を設定し、定期的に代表者が変わるようにするのもありです。

言い出しっぺのあなたが代表者になるという決まりもありません。
もちろんあなた自身が代表者になってもよいですし、だれかに代表をやってもらってもよいです。

3-3.メンバー(会員)になる条件や手続き

見知らぬ人が、あなたの団体に興味を持ち、
「どうしたらメンバーになれますか?」
と聞いてきたとしましょう。
その質問に答えるには、あらかじめ

  • メンバーになる条件

  • メンバーになる手続き

を明確にしておく必要があります。

メンバーになる条件の例:

  • だれでもなれる

  • 30歳以上の女性だけがなれる

  • 面接にパスした人がなれる

メンバーになる手続きの例

  • 入会申込書を出す

  • 入会金を払う

  • 所定のセミナーを受講する

【4】次に考えること:しっかりした団体に見られるための構え

任意団体を設立するのであれば、役所に提出する書類や手続きはありません。
さっと作れます。
法人にくらべて手軽ですし、いろいろと自由です。

とはいえ、たとえ任意団体であっても、
はたから見て「しっかりした団体」に見えるようにしておく
ことは重要です。
そのための最低限の「構え」はあったほうがよいですね。

それには、以下を準備します。

  • 目的(理念ともいいます)

  • おもな活動

4-1.目的(理念)

何のために団体を作るのか、団体の活動目的を文章にします。
どんな目的にしようと本来は自由ですが、
「会員を増やしたい」
「メンバーを募集している」
といった場合は、人々が共感してくれるような目的を考えてください。
したがって個人的な目的よりも、「みんなの目的」になるものを考えます。
その目的に魅かれた人が、入会します。

4-2.おもな活動

見知らぬだれかが、あなたの団体に興味を持ち、
「この団体は、いつも何をしているの?」
と聞いてきたら、どう答えますか?
このときズバリ
「かくかくしかじかの活動をしています」
と答えると、しっかりした団体に見えます。

「あれもしています」
「これもしています」
といろんなことを総花的に答えるのは得策ではありません。
「何をしているのか、よくわからない」
という結果になりやすいからです。

実際にはいろんな活動をしていてもかまいません。
ですが、外部に説明するときは、ズバリ
「かくかくしかじかの活動をしています」
とシンプルに答えましょう。

ようするに「軸となるメインの活動」を明らかにするのです。

【5】補足

以下のものは、いずれは必要になります。
今のうちに考えておいてもよいですし、団体が動き始めてからおいおい整備するでもよいでしょう。

  • ルール(会則)

  • ウェブサイト

  • 連絡先(住所・電話・メールなど)

  • 役員の顔ぶれ・任務・選出方法

  • 会員総会のようなもの

だいだい以上で団体ができあがります。




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