見出し画像

他人が気になるのナッジ

前回のナッジはこれ。

では今回のナッジ。

「ナッジ」とは、人々の行動を操作するさりげない仕掛けのことを指す。

お金で釣ったり罰則で強制したりするのは、ナッジではない。
人々が自由意思で行動した結果、

気がついたら、相手の手の中で踊らされていた。
でも、だまされたわけではない。
気分よく踊らされたわけだから、ま、それでいっか。

みたいな状態になるのがナッジだ。

スマートフォンのアプリは、ユーザーがアプリを頻繁に使用するよう、さりげない通知設定を施している。

たとえば、

  • ソーシャルメディアアプリは新しい「いいね!」やコメントがあるたびに通知を送る。それによりユーザーがアプリを開き、反応することを促す。

  • 健康管理アプリは特定の時間に運動や水分摂取を促す通知を送ることで、ユーザーの健康習慣を形成の助けとなる。

ユーザーはこれらの通知が自分の選択に基づいてカスタマイズされていると感じるが、実際にはアプリの設計者がユーザーの行動を誘導するために緻密に計画した通知戦略によって、特定の行動を促されている。

ナッジとはそういうものだ。

ナッジは「行動経済学」という学問から出てきた言葉。
そして「行動経済学」は、近年注目されている学問の1つ。

今回のナッジは「社会的証明」。

SNSで、わたしたちは気に入った投稿に「いいね」をする。
本当にそうか?

たとえば

あなたの友人がショボい投稿をしたとする。
最初、あなたは友人を元気づけるために「いいね」を押そうとするが…躊躇する。
この投稿に「いいね」を押したことを他人に知られてしまったらどうしよう。
ショボい投稿に「いいね」を押す人だと思われるのは嫌だ。
そこであなたは「いいね」を止めた。

つまり、人は必ずしも自分が気に入ったものに「いいね」するのではない。
「みんなが気に入ると思ったもの」に「いいね」を押す。

この現象が顕著に現れるのが株式市場だ。

人は、「もっとも魅力的な企業」に投資するのではない。
「みんなが魅力的だと思いそうな企業」に投資する。
そのほうが値上がりを期待できるから。

こうした心理を「社会的証明」という。
人々が他者の評価を意識し、その評価を得るために行動を調整する傾向を指す。

この概念を協会運営、会員獲得、メンバー活性化に応用する例を以下に示す。
自分で言うのもなんだが、そんなに斬新なアイデアが示されているわけではない。
なので、これを読んだあなたがこれらをたたき台にもっと面白いアイデアを思いついていただければ、何よりだ。

社会的証明の力を活用する:
会員が協会のイベントや講座に参加した際に「いいね」やレビューをする仕組み を設ける。
人々は他人の行動に影響を受けるため、良い評価が公開されることで、新規会員の獲得や既存会員の活性化が期待できる。

人気のある選択であることを強調する:
新規会員に提供するコースの中で、特に人気のあるものや最もよく評価されているものを強調する。
これにより、新規会員はより安心して参加を決めやすくなる。

ソーシャルメディアでの活動強化:
協会の活動やイベントの様子をSNSで共有し、参加者がポジティブなフィードバック(いいねやシェア)をするよう奨励する。
これにより、外部の人々に「協会の活動をみんなが魅力的だと思っている」という印象を与える。

メンバーの声を前面に:
会員自身の声や体験談を協会の広報資料やウェブサイトに掲載する。
実際の会員の肯定的な意見は、新規会員獲得に効果的なナッジとなる。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?