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米国スポーツマネジメント大学院 #2 最初の授業編

こんにちは!米国サンフランシスコにてスポーツマネジメントを学んでいるものです。
前回記事での宣言通り、今回はプログラムの最初の授業について紹介します。とても濃い8週間でした!

実際の生活など授業以外の部分は前回のものに書いているのでまだの方はそちらも見てみてください!


校舎

概要をご紹介: Leadership & Critical Thinking

最初に自分がいるプログラムの授業システムをざっくり紹介すると、
・授業は週に1回、18時〜22時
・1授業8週間で完了
・終了後は次の科目へ
と言う感じです。こういった週に一回、夜だけという形式がスタンダードという訳でもなく、自分のプログラムがフルタイム/インターンなどで働いている人を前提にしているからなのだろうと思っています。ビジネス系のコースならあるあるかもしれません。

教室は学校のメインキャンパスではなく、そこから車で約15分ほどの市街地ダウンタウンにある校舎に通っています。授業後はみんなで近くのバーで集まるのがお決まりです。居酒屋に飲みにいくみたいな感覚ですね。

ざっと概要をお話ししましたが、プログラムの最初の授業は「Leadership & Critical Thinking」です。全然スポーツビジネスと関係なさそうですが、実際、学術的に専門的な内容では全くありません。
簡単に言えば、大学院で学んでいく、スポーツ界でキャリア形成していくために必要な人脈・マインドセット・プランを構築しよう!みたいな感じになっています。

印象に残ってる課題

前述の通り週に一回しか授業はなかったのですが、課題が結構キツめでした。お会いした卒業生の方々が口を揃えて「最初の授業が一番大変」といっていたのも納得です。
基本的に毎週課題に追われていましたが、その中でも特に印象に残っている/大変だった課題をご紹介します!

1. 読書

自己啓発っぽいのが3つとスポーツマネジメントの教科書が1つで、合計4冊の本が課題図書というか、教材として課されました。
課題の内容としては、一気に一冊を読むというよりは毎週それぞれ一定の量を読んで、それを踏まえたレポートを提出する形。量は日本語で大体3000〜4000字くらいでした。

レポートを書くのに関しては、色々なツールに助けてもらいながらやれたのでそこまで大変ではなかったです。日本語で書く→訳す→直すみたいな。
一方で、読む方はなかなか苦戦しました。単純に英語なので読むのに2倍くらい時間がかかりますし、知らない単語を調べたり、レポートを書くためにメモを取りながら読んでいたのでどうしても時間がかかりますし、めっちゃ疲れます。読書は好きで、そこそこ読むのも早い方なのですが、「あれ全然読んでないのに、もう3時間経ってる」みたいなことが多々ありました。

同じように、毎週5つのニュース記事や学術記事を読んでレポートを書くという課題もあって、読む→書くの作業を続けていたおかげか、日本語の記事や本が前よりもスムーズに読めるようになったり、今こうしてnoteを楽しんで書くことができているように思います。

2. プレゼン

プレゼンは種類が2つありました。一つは毎週クラスの1/3くらいの人が課題読書の1章分を1分でまとめるもの。もう一つは7週目に全員3〜4分で自分のこれからのキャリアや授業で学んだことを話すというものです。

特徴的だったのが "Ummm"  みたいな間投詞(えー、あーみたいな)がめちゃめちゃ厳しくチェックされるところです。普段授業中に先生に質問をする時からそれを言うと指摘されるほどで、人の話し方にこれだけこだわる指導はなかなか珍しいなと。特に最後のプレゼンは "1umm" につき1割点数が引かれるみたいな採点基準だったことと、成績の1/5を占めるということで緊張感に満ちていました。

これは自慢なのですが、意外なことに自分は結構プレゼンが得意でした。英語だからこそ念入りに練習を重ねたことが功を奏したこともありますし、心臓が出そうなくらい緊張はしますけども。最初のミニプレゼンをした時(3週目くらい)にクラスメイトが驚きもあってかすごく褒めてくれて、そこから少し認めてもらえたというか、距離が縮まった気がしていましたが、多分自分の中で自信になったんだなと今書いていて気がつきました。

3. ネットワーキング

この授業の目玉課題として、スポーツ界で働く人たちにインタビューをすると言うのがありました。(ノルマ7,8人)自分のキャリアの参考になるような、そして憧れの存在であるような人にリーチすると言う感じなのですが、これは別に「誰にインタビューしたいの?OKそういう人ね、紹介してあげる」とかではなく、「誰にインタビューしたいの?OKそういう人ね。はい、じゃあ頑張ってー」みたいな感じです。

個人的にはこれが一番苦労しました。SHIBUYA CITY FCでお世話になった方々にもう一度お世話になる形で、日本のサッカー界で働く方とは繋がることができたのですが、アメリカで働く人と繋がるのがなかなか難しかったです。

日本語ですら難しいビジネスメールを英語で送るとなると余計悩みますし、話を受けてもらえる可能性ももちろん高くありません。とにかく数打たないといけない感じも相まって特に最初の方はすごくやりたくありませんでした。

前述した2つの課題ももちろん楽ではなかったのですが、時間をかけてちゃんと頑張ればほぼ確実に結果が出る一方で、インタビューに関しては一生懸命文面考えたのにリアクションがない!みたいなケースが多く、運による部分がどうしても多く含まれるのが苦しいなと思う要因の一つでした。
あと、単純に知らない人に連絡するのは緊張します。

慣れる。

エナジーマックスな先生

この8週間を振り返ってみて、半年経ったんじゃないかと思うくらいの濃さで、正直まだ日本を離れてから2ヶ月しか経ってないとは到底思えません。その濃さの原液となったのは紛れもなくこの授業、そしてそれを担当してくれた教授の方でした。

とにかくエネルギーに満ちていて、基本的に授業を通じてずっと喋っています。エピソードトークを中心に、そういう自己啓発のトークショーに来たのかと思わされるような熱量を毎回浴びせてくれるので、毎回授業後はよっしゃやるぞ!みたいな空気になるのがすごいところです。

彼の指導スタイルは正直アメリカでも特殊らしく、クラスメイトも(基本的に)いい意味であいつはヤバいという風に言っているので、決してアメリカの教育はすごいぜ!とまとめるつもりはなく、単にこれだけのエネルギーを持った人間が大学院の先生というポジションを務めていることが珍しいなと感じました。いや、確かにまだ大学院の授業は1個目なんですが、教授っぽくないと言いますか。

こういう感じの熱さではありません
松岡修造HPより拝借しました

Uncomfortable に慣れる

多くの名言を残してくれた先生でしたが、ここでは1つ紹介して、今回の記事を締めたいと思います。

それが"Get Comfortable being Uncomfortable"です。
よく聞く、コンフォートゾーンから出るという話と近い感じではありますが、意訳も含めると「居心地が良くなることは難しいけど、居心地が良くないことに慣れることはできる」ということです。これはこの2ヶ月で確かにそうかもな、と思いました。

クラスの大きな特徴として、授業が始まったらスマホの電源を切ってカバンにしまい、授業が終わるまで使用は禁止という決まりがありました。これは授業に集中するためという目的もあったのですが、それ以上にSocialize することが最大の目的だったみたいです。どういうことかというと、4時間の授業の中で2回休憩があるのですが、その度に必ず誰かと話すことを強制されるんです。特に前半の週に関しては、「まだ話してないメンバーと話すように」ということを課されて、半ば強引に、少し不自然な形でクラスメイトと話していました。結構気まずい空気も多いです。

正直最初はだいぶ違和感があって、「そんな無理して話す必要あるのか、馬鹿馬鹿しくない?」くらいに思ってしまっていたのですが、続けていくうちに気軽に話せるメンバーも増えてきますし、単純にクラスに対しての心理的安全性と言いますか、少し異質な環境に慣れていくもので。

これは課題などでも全く同じでした。知らない人にメッセージを送るのも、みんなの前でプレゼンをするのも楽しくなった訳ではないですし、まだ緊張や不安がなくならない訳ではありません。ただ、それらを感じた上で行動することには慣れてきたような気がします。

人見知りでもないのですが、内弁慶な面がある自分の性格がこういった行動の積み重ねを通じてどれくらい変わっていくのかは正直分からないです。でも例えば、今後インターンなどを始めたときに、ウジウジしている訳にも行かないのは事実ですし、新たな機会のために知らない人にメッセージを送ることも必要になるとは思います。きっとそういったときに今後も緊張し続けるのですが、それでもやれたぞという成功体験と、こうすると上手くいかないという失敗体験を積んでいくことは価値があるだろうなと思います。

来週からは2つ目の授業である、「Marketing Science & Practice」が始まります。ちょっとずつ学問的な内容になるので、また違った面白さがありそうで楽しみです!


あとがき
日本時間では9月ですが、アメリカはまだ8月なのでセーフ。

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