糸車
カラーンカララン
シュルシュルル
囲炉裏がパチリと指鳴らし
合わせて火の粉は舞い踊り
深い眠りの幼子の
寝息が糸に絡み付く
カラーンカララン
シュルシュルル
母は黙って糸紡ぎ
暮らしに疑問が解れても
暗い光に揺れながら
優しさばかりを編み込んで
カラーンカララン
シュルシュルル
ふとした拍子に目を覚まし
寂しい夜もあるけれど
変わる事ない安らぎは
回り続ける糸車
カラーンカララン
シュルシュルル
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やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール