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いつか全てが終わる頃

その時初めて悟る事
それまでひたすら繰り返す
出会いと離別は分刻み
止めはどちらで幕引きか

望む景色も幾枚か
胸のポッケに携えて
進路を尋ねる事もある
事の真偽はさて置いて

気付けば古びた人間で
思考は幼い覚え書き
他人事みたいに息をする
時代の脇に身を置いて

後悔不可避の生き様が
何より自分であるらしい
せめて優しさひとひらを
暮らしの棺に据え置いて

此処に身を置く約束は
いずれ朽ち逝く事と知る
いつか全てが終わる頃
それが全ての始まりに




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