思い出ビーチ
人影のない冬の海
波打ち際に立っている
砂に沈んだスニーカー
水平線の向こう側
ずっと見つめるままだから
知っているのは背中だけ
ウミネコ仰いだ海風が
山の斜面に寝そべって
夕焼け小焼けで星を待つ
凪の隙間に石を投げ
波に当たって消えるまで
ずっと背中を向けたまま
遠くで汽笛が鳴いたかな
寄せては返す波の声
音は無数の泡になる
覚えているのは背中だけ
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール