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スカル

顎が外れて転がって
大樹の根っこが足を出し
葉っぱを揺らして語り出す
暮らしも服も脱ぎ捨てて
髪も肌も消えたなら
ようやく同じとわかるかね
それでも違いを探すかね

良ければこちらで眠りなさい
誰もあんたを探さない
だから忘れて眠りなさい
空を仰いで寝るもよし
苔に埋もれて寝るもよし
あんたの身体のそれぞれは
とっくに各々寝ちまった

残した想いがあるのなら
どうれ聴かせてごらんなさい
時間は消えるほど有り余る
あんたの想いが尽きるまで
私は変わらずここに居る
あんたの愛がある限り
私も花を咲かせよう

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