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三日月

夜がお空に染みる頃
異国に旅立つ太陽に
月のほっぺは照らされて
飛行機雲に擦り寄った

寒さが積もる足元に
誰かが落とした思い出と
語るでも無く寄り添えば
月の光が差し込んだ

目覚めた星のそれぞれと
新たな出会いを夢想して
誰も知らない明日へと
行かねばならぬか行くべきか

そんな思いと裏腹に
顔色一つ変えないで
明日の僕も僕のまま
変わらぬ今日に辿り着く

月のほっぺが膨らんで
まあるくなったら萎んでく
それなら僕も僕のまま
ほっぺを萎ませ膨らませ

月を眺めて生きましょう

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