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カリスト

星物語の暗幕は
空を跨いだ太陽光
宵の明星プロローグ
虫と獣の求愛が
舞台を飾る色彩に

生命賛歌に相応しい
見果てぬ星の瞬きも
既に見果てた姿だと
馬鹿な頭じゃピンと来ず
夜半の牡牛に跨った

沈むことさえ許されず
天の北極繋がれた
我が子を慕う大熊が
北の地平を歩くから
黙って頭を撫でに行く

寂しい訳では無いけれど
誰かの隣で笑えたら
始発電車を待つ人と
ようやく眠りに就いた人
舞台の袖のレグルスよ

星物語の暗幕は
空を跨いだ太陽光
明けの明星エピローグ
虫と獣の行末に
鳥はチャペルの鐘鳴らす

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