コンコンゴトゴト
コンコン線路の遮断機が
お山の向こうで鳴いている
高架を走る終電の
車窓に絵本の読み聞かせ
暗い地平に浮かんでは
残像描いた走馬灯
ゴトゴト最後に手を振って
お山は静かに鳴いている
高架はベッドの枕元
車窓に頬杖ついたまま
暗い地平の在りし日も
瞳を閉じれば生きている
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やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール