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給水塔
山道の湾曲を抜けていくと
遺棄された採石場があった
夕映えのベルトコンベアは
静止した轟音を運んでいた
刈る人の無い草は首を垂れ
土に還れる頃を待ち侘びた
フェンス越しになぜる風は
当然の様に寄り添っていた
やがて夜が来たなら各々は
緑に埋まる給水塔へ帰った
だから僕はたった一人残り
何もない星空を眺めていた
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やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール