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壱貫亨司詩作集め
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2021年7月の記事一覧

眠気に連れそう歌声は

眠気に連れ添う歌声は 忘れ去られた恋の音 それとも願いに暮れる音 何処からともなく現れて …

壱貫亨治
3年前
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空き部屋

理由も定かじゃない 拭い切れない 疲労と願いに こびりついた 療養と建前 不安に穴を開けて 丁…

壱貫亨治
3年前
57

告白

欲望の 素性は巡りの 顛末に 素質か努力か 過ちか 使い込む 時の数だけ 慢心が 身に付く頃に …

壱貫亨治
3年前
44

店主の居ない雑貨店

どこか醜い愛らしさ 親指くらいの生物が ポーズを切り取りドンドロドン ショーウィンドウで陣…

壱貫亨治
3年前
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廃屋

締め切った窓に沈み込む 暮らしを忘れた夕暮れに 草木や花が揺れるのは 終わらぬ孤独の戯れか …

壱貫亨治
3年前
44

種を撒いたら実るまで 世話もかかるが報われる とは言え実りの良し悪しや 味も形もまちまちで…

壱貫亨治
3年前
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出口

たとえば目的見失い 路頭に迷った落日に 案内板があったなら 素直に辿って行くかしら 疑うばかりの僕だから 踵を返して彷徨いて 探しちゃ嫌だと書置きし 一足毎に振り返る いつか抜け出す夢ならば ありきたりでも歌になる それなら僕は違う道 誰も知らない影を追う なんて気取ってみたところ 話す相手も見当たらず 本当は迷子になりたくて 誰かが来るのを待っている

空転

どれだけのものか 血気盛んな無頼漢 力試しの比べっこ 酒と輩を呑んだくれ 素面は寝起きの便所…

壱貫亨治
3年前
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