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空転

どれだけのものか
血気盛んな無頼漢
力試しの比べっこ
酒と輩を呑んだくれ
素面は寝起きの便所だけ

力の限り粋がって
命の限り燃やしたい
熱くて爛れた暮らし振り
宵越しの言葉も持たず
根拠も目処も放り投げ

何にも無いのが武勇伝
文句があるならかかってこい
陰口なんぞやめておけ
勝っても負けても憤り
全力疾走泥田坊

泥に嵌まってもがいたら
じわりじわりと沈むから
夜な夜な諦め引き寄せて
辞世の句でも詠みながら
思い出すのは空回り

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール