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STEAMの「A」は⁉

STEAM学習の話の2回目です。

私は「STEAM教育」ではなく、「STEAM学習」という言い方をしています。
米国でも、STEAM Educationといいますから、STEAM教育というのが素直なのですが、あえてSTEAM学習(STEAM Learning)といっています。
というのも、教育という言葉が大人目線になっていて、子どもが受け身になる感じがする言葉だからです。子どもを主語にするならSTEAM学習といった方がいいと思いませんか。
子どもたちに向かって「今日はSTEAM教育やるよー」って言わないですよね。STEAMのように、子どもたちが主体的に学ぶコンテンツであれば尚更です。
ということで、「STEAM学習」の解説の2回目スタートです。

前回、STEAMの「A」をアートと捉えるか、リベラルアーツと捉えるかで2種類の定義があるという話をしました。私はどちらかというと、アートと捉えた方がいいと思っています。
なぜなら、リベラル・アーツと捉えると幅が広がり過ぎるからです。私はあくまで「STEAMは科学技術を活用した創造学習だ」と捉えたいです。
米国が1990年代からSTEM教育に力を入れ始めました。それが功を奏してGAFAのような科学技術・情報技術先端企業が生まれ、世界を席捲しました。日本はそれに出遅れ、30年近く経済成長が止まっているのです。今からでも遅くないので、科学技術を活用した創造学習に本腰を入れた方がよいのです。

日本の教育は理系が弱いといわれています。この理系といわれる場合、理科と数学が必ずセットになります。しかし、GAFAのようなビジネスはICT(情報通信技術)がベースですから、数学は必要ですが、理科は必ずしも必要ありません。むしろ、アートやデザインの知識やスキル、そしてプログラミングの方が必要です。
これまでの理系という枠組みにこだわっている限り、どんどんICTビジネス競争から取り残されていきます。

この問題意識からSTEAM学習の促進をいっているのであれば、あまり幅を広げ過ぎずに、あくまで科学技術、特にICTを活用した創造学習に力を入れるべきです。イノベーションを起こせる人材育成に力を入れるということです。もちろん、その時にアートやデザインの思考は大切です。
そして、決してSTEAMを理系教育とはいわないことが大事です。文理融合というか、文理の間にある新しい学際分野だと捉えた方がいいでしょう。

教育観点から大事なのはSTEAMの頭文字の中でもEngineering(ものづくり)です。ここが通常の探究学習と異なる点です。STEAM学習は探究と同様に問題解決学習です。しかし、科学技術を使ったものづくりを通じて問題を解決するところに特徴があります。私はSTEAM学習を探究学習の一部だと考えています。

そのあたりの詳しい話から第3回目は始めるようにしましょう。今日はこのへんで。

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