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与えられたやる気には限界がある

人のやる気には2種類ある。

ひとつは、外的動機(誰かから与えられるやる気)で、もうひとつは、内的動機(自分から湧き出すやる気)である。

当然、後者の方が「理想とするやる気」である。

外的動機は、主語が「自分以外の誰か」になる。

「上司から言われたから頑張る」
「先生に認めてもらいたくて頑張る」
「親に褒められたくて頑張る」

常に、他者を軸としてやる気を生み出していく。

結果、「やらされている」という状態になってしまい、とてもじゃないが自発的な行動など起きない。

他者から評価されないと頑張れないし、一旦本人の気持ちが折れたら再び動機を与えることも難しい。

自発的に行動してほしいと願いながらも、育成や教育の場面では指導者がなんとかやる気を引き出そうとして空回りすることが少なくない。

逆に、コーチングでは「内的動機」を引き出すことを目指している。

主語が「自分」になるように、その人自身が努力できる理由を整理していく。

あなたはどうしたいのか。
あなたはどうなりたいのか。
あなたはどうやるのか。
あなたは何をやるのか。
常に、相手を主語にして「自分の意志で行動する動機」を明確にするコミュニケーションだ。

結果、ブレない、折れない、自発的な行動を起こしていくようになる。

育成や教育にコーチングがいいとされるのは、こういった事が理由にある。

部下、後輩、子供、教え子にやる気になってもらいたいなら、「外から与える」ではなく「内から引き出す」意識が大事だ。

外から与えるか細いやる気ではなく、内から引き出す強固なやる気が大事なのだ。

怖いのは、内から引き出そうとした結果「実は本人のやる気はここには向かわない」という真実が明るみになることだ。

周りから言われて頑張っていたが、実は本人の中にそれを頑張る理由など無かった場合もある。

でも、それでいい。

外から与えられる動機には必ず限界がある。

遅かれ早かれ、いつか本人が壁にぶつかった時には「やめたい」と言い出すのだ。

であれば、早めに内的動機が起こるようなチャレンジにシフトチェンジするのが本人にとって1番良い選択なのだ。

コーチングで目指すのは指導者の理想ではなく、それをやる本人の理想を叶えることだ。

今一度、自分が育成する相手の本心と向き合ってみてはいかがだろうか。

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