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今年に読んだ本一覧

今年になって読んだ本の覚え書き、5冊ずつに分けて書いていきます。
自分で選んでいるので関連がありそうな内容になるけど、こうやって振り返ると興味あることがよりはっきりするなあと感じます。

1.ダイエット幻想 やせること、愛されること


1月ごろに読んだ本。
「急に具合が悪くなる」の磯野真穂さんが書かれた本。
私たちの承認欲求がどのようにして、やせ(ダイエット)とむすびつけられていくのか。女性は可愛らしさ、か弱さを社会から求められ、自分の身体が周りからの視線と体重という数値によって、他人から評価される対象にされていく。そして、この可愛さは子供らしさであり、若いうちは周りからもてはやされる対象でいられるが、歳を取るにつれて、大人になるにつれて周りの承認を得られなくなってしまう。痩せても痩せても満足できないスパイラルに陥り、体調を崩すまでに至ってしまう。

この本では、ダイエットが悪いこととは書かれていない。ただ、なぜダイエットしなければならなかったのか、痩せようと思ったのか。その原因の多くは本人の意識ではなく、社会に原因があると考えている。女性は女の子のまま、大人になることを認めない社会がダイエット幻想を生み出している。自分のからだは自分自身のものであり、女性は皆大人になっていい。

本屋さんのダイエットコーナーに必ず置いといてほしいくらいいい内容。自分の体重に悩み、ダイエットで苦しむような人が一人でも減り、自分自身のからだを愛することができる社会になっていければいいと思う。


2.自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書


初めて部下を持った人がどうやって教育をやっていけばいいのかをわかりやすく教えてくれる。
自分は部下を持つ役職ではないが、これを読むと上司の指導が良いのか悪いのかが判断つくようになった。

一つ一つ説明しないと部下が理解してくれない、自分の指示がないとボーッとしてる、教えているけど一向に身についている様子がない、そもそも自分は上司に向かないんじゃないか…と思っている人はぜひ読んでほしい。上司らしさ・リーダーらしさとはちょっと距離を置いて、部下を育てるということを改めて考える際にきっと役に立つ本だと思う。

この本はKindleで¥0なので、気軽に読めます。リンクからぜひ


3.ひらめかない人のためのイノベーションの技法


5つの技法を用いて天才ではない人でもイノベーションを生み出す方法が書かれている。どの内容にも歴史的有名人が例として登場するので、読みやすい。

Chapter4の「ズレ」によるイノベーションで西洋の哲学者の話が出てくる。
その中で、ボッカッチョの『デカメロン』の例が面白い。筆者はその本の内容をエロエロと書いている。今読み返すとただのエロ小説も、それが書かれた時代ではキリスト教が絶対的な権力を持つ中で、教会の腐敗を生々しく描き、社会風刺とも呼べる内容だった。その時代の常識にカウンターとして機能する思想こそが哲学の本質である。小難しい言葉ではなく、その時代においてどういった切り口で発された言葉だったのかを知ることは新しい価値を生み出す上でも学んでいて損はない。


4.呪いの言葉の解きかた


 私たちの思考と行動は、無意識のうちに「呪いの言葉」に縛られている。
 そのことに気づき、意識的に「呪いの言葉」の呪縛の外に出よう。思考の枠組みを縛ろうとする、そのような呪縛の外に出よう。のびやかに呼吸ができる場所に、たどりつこう。
 それが、本書で伝えたいことだ。

第一章の冒頭部分、呪いの言葉が日常にいかに潜んでいるかはこれ以降を読んでもらえばよくわかる。本文は時事ニュースや流行のドラマなどの話が頻繁に出てくるので、スラスラ読める。本当にありふれた会話の中にも呪いが使われていることに気づく。

引用部にもあるように無意識に受け入れている言葉に意識的になることの大切さがよくわかる。その言葉を発信している人は一体何を考えているのか、そういうことで都合の良いことを押し付け、都合の悪いことを隠そうとしていないか意識的になることが重要だ。

5.『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を。


都合の悪いことは隠されて、「ほとんどない」ことにされる。有名人のゴシップ記事の隅に書かれるような、そもそもニュースに取り上げられることもない。けれど、実際に日本で起こった事件、現在進行形の問題が数多くある。それは誰がないことにしているのか。誰にとって都合が悪いことなのか。

テレビやネットニュースで一度は見聞きしたことのある事件や問題が出てくる。ただそれが深く掘り下げられることはほとんどないのだ。こういうことが起こった、それ以降の関心はもたれない。しかし、当事者たちは確かに存在し、この状況をよくしようと行動を続けている。無意識な自分たちは変わろうとしている当事者の足を踏んでいないか、口を塞いでいないか、自身の加害者性に自覚的でありたい。

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